たっぷりな悪戯を(シカナルコ)



※学生パロ
 ナルト女化有り



クラス強制全員参加のハロウィンパーティー

俺にとっては糞詰まらないものになると思っていた

だが、


「シ、シカマル。これ、足がスースーするってば」


片手で短いスカートを押さえ俺の服の裾を引っ張る魔女の格好をした恋人のナルトにフリーズしたのは言うまでもない


「おーい、シカマル?」

「…あ、あぁ」


ナルトと会場に入った瞬間にサクラに拉致られたのは分かっていたが…

予想もしない格好をして出て来たナルトに見とれてまともな反応さえ出来なかった


「思った通り似合い過ぎよね。ナルトだけには勝てない気がするわ」

「そんな事無いってばよ。サクラちゃんの方が絶対似合うってば!」


ナルトの出来を満足そうに見ながらしみじみと呟いたサクラに誰もが頷いた

だが、張本人はその自覚がない様で反論していたがサクラは開き直った様に話題を切り替えた


「はいはい、そんな事よりハロウィンなんだから盛り上げて行くわよ!」


ノリが良い『おー!!』との男集団の声に嫌な予感がしたのは言うまでもない


「ナルト来い!」

「へ?」


男達の目線はナルトに向けられているのは明白

そんな状態で此処に止まる意味が無い

ナルトの手を掴み俺は慌てて会場から離脱した

「シ、シカマル!どこ行くんだってば!?」

「あいつ等が居ないところ」


あいつ等?と首を傾げるナルトの手を引きながら鍵が掛かっていない教室に入ると鍵を閉めた


「撒いたか?」


ドア越しに耳を澄まして足音が聞こえ無いことを確認すると肩の力を抜きナルトへと振り返った

そうすると状況が理解出来ていないのかキョトンと幼い顔をしたナルトの顔が見えた


「…悪いな」

「シカマル?」

「ハロウィン楽しみにしてただろ」


ハロウィンの準備から手伝っていたナルトが今か今かと待ち遠しそうに一日一日を過ごしていたのを知っている

その楽しみを奪う行動をしてしまったのだ


「うん、楽しみだってば」

「楽しみ?」

「そうだってば」


…話がズレてないか?

ナルトの言葉からは今から起こる事のように言っているが、俺が言ったのは過去系だ


「トリック・オア・トリート?お菓子くれないとイタズラするってばよ?」

「は…?」


たどたどしく自信のなさそうに紡がれた言葉につい疑問系で返してしまえばナルトは頬を膨らまし拗ねた様に声を上げた


「は?じゃないってば!」

「…俺が菓子持ってると思うか?」

「思わない」


にっこりと笑いキッパリと答えるナルトに嫌な予感がしながらポツリと呟いた


「…イタズラか」

「うん!」


万弁の笑みをして抱き付いて来たナルトに何時もなら喜ぶ場面だが素直に喜ぶ事が出来なかった


「動いちゃダメだってばよ?」


ナルトの手が頭に触れ、何かが頭に付けられたのを感じた


「に…似合ってるってばよ」

「似合ってたまるか!」


仕方なく大人しくしていたが笑いを堪えながら感想を言うナルトは今、サクラ達が作った猫耳か何かを付けた俺が映っているのだろう


「ったく、それ以上笑うと悪戯するぞ」

「え……んっ」


顎を捉えると我に返ったナルトの言葉を聞く前に唇を奪った


「…あまっ」

「…っふ…んんっ!!」


リップをしていたのを思い出し、それを拭う様に唇に舌でなぞれば顔を真っ赤にして俺の服の裾を掴む姿が見えた

「…可愛いな」

「〜〜〜〜っ!!」


ナルトの唇を舐め取り唇を放して耳元で呟く様に言葉を漏らすとナルトは耳まで真っ赤に染まり声にならない声をあげていた


「たっぷり悪戯してやるよ」


さぁ


楽しい時間の始まりだ






      -END-



2012.10.31 完成



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