紅い月−七つの謎と黒い影−

MISSION*11 



《おらぁ!狐火!》


白蓮の声が廊下に響き渡ると同時に、青い炎が人体模型の周りを囲む。その火は一気に人体模型へ移り、燃える炎の中から人体模型の悲痛の叫び声が聞こえてきた。


「けっこー簡単だねー」

《強制成仏が出来ればこっちのもんだろ》

「待て須藤、白蓮。」


どうやらまだ終わってないようだ、と言いながら人体模型を見ている柳。彼の言葉に反応した雪羅は青く燃えているそれを見ながら「奈緒ちゃんの血吸ったからしぶとくなっちゃったか…」と呟いた。
先程まで炎に包まれていた人体模型は火を振り払うと再び追いかけてきた。だが1度炎により焼かれたせいで最初よりかは明らかにスピードが落ちている。
雪羅は何かを決意すると突然立ち止まり振り返った。先を走っていた柳がそれに気付いて彼女の名前を呼ぶが雪羅は反応をせずただ人体模型を睨み付けた。
柳や真田、白蓮が何をしてるんだと走るのを止め彼女を見つめる。


「こうなりゃ一か八かだよ!白蓮の炎が効かずして何で勝てると思ってんの!答えはこの私、雪羅様の偉大な力でしょ!!!」


さーっと現れた粉雪が舞い、一瞬で雪羅を覆い隠す。彼らが何をしているんだと思うよりも先に、廊下に吹雪のような風が吹き抜けた。それは人体模型の足をも制止させる程の勢い。覆われた粉雪もその風に乗り、中から再び雪羅が姿を現す───筈だった。いや、正確には姿を現していた。
肩につくくらいの長さの茶髪に立海の制服を着た彼女はどこにも見当たらなく、目の前には見たことのない少女が立っていた。白から空色のグラデーションに、雪の結晶の柄が施された膝丈の着物。そして千歳色の帯。鎖骨がチラリと見えるような緩い着こなしで空色の長いマフラーを巻いている。腰あたりまである銀色の長い髪が、未だある小さな風によって靡いた。
そう。雪女としての、彼女の本来の姿であった。


〈火を振り払われるのなら、"僕"の氷で動けなくして粉々に粉砕するまででしょう?〉


首に飾っていた白い勾玉を取り出し、左手の人差し指と中指で挟むようにして持つ。その掌を広げ上向きにすれば、指先を人体模型に向けて手を口元に持っていった。


〈氷霧!〉


息を吹きかければ、ずっと前に1度見た───足売り婆さんの時の倍以上の威力と量の白い霧が人体模型を襲い、姿を覆い隠す。
「氷結」も前より威力が増していた。ぎゅっと凝縮されて出来た氷の花は、場所が場所なだけに前よりは小さな蓮の花の氷になってしまったが、人体模型は芯から凍っているようで氷の中で藻掻く事は愚か、身動き出来ずにいた。彼女の止め技である「氷雨」も同様威力は増している。ただの氷の塊だったものが、今は先が尖っている氷の塊に変わっていた。凍っている人体模型目掛けて飛んでゆく速さも前以上で、ぶつかった時の酷く大きい破壊音が廊下に響き渡る。
再び現れた雪煙が消えて視界が見えるようになった時、目の前にいた人体模型の姿は既にどこにもなかった。


〈氷華、百方雪礫……っと。〉


最後にお決まりの技名を呟いて、振り返る。


〈……近くに気配も音もなし、邪気も完全に絶ってある。よし、終わったよ───って、何その驚いた顔。……ああ、僕の姿がそんなに珍しいんだ〉

「いや、珍しいというよりはだな……」


そう呟く真田に「あ〜。うんうん理解。いつもの姿と殆ど違うからねえ」と苦笑した。でもまぁそりゃそうだよ、このままを人型にしちゃうと確実に浮いちゃうしね。そう呟きながら彼女は再び粉雪を身に纏う。そして一瞬で先程の、いつもの姿へと戻った。
雪羅が技を繰り出すまで左手に持っていた白い勾玉の首飾りを首へかけ直しながら、小さく息を吐く。そんな彼女を黙ったままじっと見つめている柳の視線を感じた雪羅は、彼を見て困ったように笑った。いつものことだ、きっといいデータが取れたなんて思っているのだろう。


「見ての通り、この姿と本来の姿じゃ威力が全然違うんだよ。プラス、奈緒ちゃんの霊力がこもったお手製浄化用勾玉でちょっとでも浄化の効力を上げる……とまぁこんなところ。あんまり見せたくなかったけど、今回は不可抗力ということで仕方なく。だから私のことなるべく他言しないでね」

「ああ、俺達の中で留めておこう。な、弦一郎」

「うむ、了解した」

《取り敢えず、人体模型は終わりだな。……でもよ、硝子細工っつーやつ落ちてねぇぜ?》

「……これは二つで一つの謎。謎自体が解決しないと貰えない仕組みなら、恐らくもう片方の骨格標本はまだ倒せていないのだろう。硝子細工が見つかるとしたら、きっとそっちだろうな。」


柳の立てた推測にそうかも知れないと真田が同意する。残った骨格標本は蒼音たちに任せて、新たな謎に出くわしてしまう前に奈緒のいる図書室へ戻ろうということになった。


《ま、あっちにゃ蒼音がいるから心配はいらねーよな》

「蒼音ちゃんの能力でアレが簡単に倒せるのかって言ったらまた話は別な気がするけどね〜」


そんなことを話しながら彼らは、図書室へと向かって歩いた。
立海七不思議、謎X。残るは骨格標本。



* * *




〈骨ェ!皮膚ゥ!寄越セェェェ!〉

「……。ずっと僕を追いかけて来てるけど人の匂い一切しなくなってることに気付いてないのかな、あの骨格標本」


走りながらそう呟く蒼音は、まるで疲れを知らないかのような顔で、未だに息切れをしていなかった。
危機一髪で丸井を押して骨格標本の攻撃を回避することが出来たが、彼を押したことによってその反対側にいた紫音まで巻き込んでしまい、挙句の果てには骨格標本は人間がいなくなったことに気付かず人間の姿である蒼音を追いかけていた。
丸井先輩や紫音とはぐれちゃったな……と考えながら走っていた彼だが、"人間"がいなくなった今、普通に走る必要ないのではという結論に至り、「……もういいか」とピタリと足を止めた。


〈!喰ラゥゥゥ…!〉

「……て言うか、僕と殺り合おうなんて……いい度胸ですねぇ?」

〈……ッ!?!!〉


振り向きざまにニコリと言えば、目の前の対象は大きく肩が跳ね、同時に骨格標本もピタリと足を止めた。そんな分かりやすい反応を見て、蒼音は笑顔のまま言葉を続ける。


「"低級"な妖ごときが僕に勝てるとでも?……どちらが上かも分からないお馬鹿さんな妖になんて、用はないんですよ、僕は」

〈ウ……ァ……、ッ!!!〉


手をかざそうとした瞬間、目の前にいた骨格標本はいきなり方向転換をして来た道を戻るかのように走り出した。突然逃げ出した姿を見て「あっ!」と声を漏らす蒼音は、あっと言う間に遠くなっていく白い塊を見て溜息をついた。
散々追いかけ回しておいて、終いには逃げた骨格標本。


「あーあ……」


黙って始末しておけば良かった、と今更追う気になんてなれない蒼音はそう後悔した。
蒼音からターゲットを変えた骨格標本は誰を狙おうとしているのか分からない。図書室にいる奈緒たちか、はぐれてしまった紫音や丸井か。もしくは人体模型と合流して柳たちを狙うのか。骨格標本の思考まで読めるわけがないため検討はつかない。
今、何をすることが1番の得策か。立海生の怪我や病気が増えた原因だってまだ分かっていないのだ。この残された少ない時間の中でやるべきことは、たくさんある。


「……。……ほんと、面倒だなぁ…」


小さく笑う彼はその表情とは似つかわしくない言葉を呟いたのだった。



* * *




手ならあるかもしれません、そう言った紫音は丸井ブン太と一緒にとある教室へと来ていた。


「な、なぁ紫音……さっきも言ったけど蒼音の水の能力だけじゃあの骨格標本は簡単には倒せないかもしれないんだよなぁ?また骨が戻ってくるかもしれねぇのに何でここに戻ってきたんだよぃ…」


彼女の後ろを歩きながら辺りを見回し警戒する丸井は、そう呼びかけた。だが紫音は返事をすることなくその教室の奥へ向かう。彼女たち2人は現在、最初に人体模型と出会った場所───理科室へ来ていた。その隣の理科準備室へと入ればたくさんの実験道具や薬品がずらりと並べられていて、紫音は何かを探しているかのようにその棚を眺め始める。


「お、おい紫音……?何してんだよぃ?」

「……丸井さん、フッ化水素酸を探してもらえますか?」

「ふっか……え?」


その単語を聞いて首を傾げた丸井を見もせずに、紫音はあからさまに溜息をついた。それを見て「ほんとゴメン!」とすかさず謝る彼を横目でちらりと見つめた。


「……フッ化水素酸です。弱酸ですが、骨を溶かすことが出来る激薬と言われてます。」

「骨……!そっか、こうなった時の科学の力だな!任せろぃ!」

「……まぁ、あの骨格標本が本当に何かの骨で作られているならば、の話ですが。それに中学校の理科室に危険すぎる薬品を置いてあるかも分かりませんし、何より見つけたとしても骨を溶かすスピードはそんなに早くないため使えるかどうかも分かりません。……とにかく、薬品ですのでぐれぐれも気をつけてください。それから念のため、他にも何か使えそうな薬品がないか見ておきましょう」


彼女の言葉に了解と言いながら、丸井は棚を調べ始めた。
調べること数分、無事、奥底の方にしまわれていたフッ化水素酸を見つけ出した彼らは、他にも使えそうな塩酸や硫酸や硝酸、アルコールランプやマッチなど、ありとあらゆる使えそうな薬品を片っ端から用意した。


「あーそっか、プラスチックって可能性もあるのか……ひーー何か上手くいかなかったらって思うとビビる〜!」

「……うるさいです丸井さん。」

「わりぃわりぃ。でもさぁ、こんなことしたら大事になんねーの?俺そんな化学とか分かんねーからどんなるか全く予想つかねぇんだけど……例えば大爆発とか、火事とか」


理科室の入口近くにある背の高い棚の上に乗って身を潜め、スタンバイした丸井を見ながら紫音は溜息をついた。


「……ここはこの世ではないどこかの世界であり、異空間。七不思議中に外に出られないと言うことはつまり結界が張られてあるということ」

「うん?そーだな?……だから?」


紫音は紙屑を見つけて拾うと、持っていたマッチ取り出し火をつけた。紙に着火させると、いきなりそれを手から離す。なっ、何して!と驚きながら見ていた丸井は床に落ちた燃える紙屑を目にして、次の瞬間ごくりと息を飲んだ。
紙を燃やしていた大きな炎が、紙が灰になると同時に消えたのだ。火が校舎に燃え移って火事になるはずなのに。


「……この、私たちの知っている立海ではない建物は、何かに守られているということです」


彼女の言葉に安心した表情を見せる彼に、ただ爆発は巻き込まれる可能性大いにありますけどねと呟いた紫音のせいで、今度は顔を青くした。


「……けれどまぁ、安心してください。爆発が起きても失敗しても、あなたを殺させはしませんから」

「……惚れたわ」

「やっぱり前言撤回します。粉砕骨折でも大怪我でも勝手にしやがれください」


え、ひどくね……?と呟く丸井を無視しながら紫音は理科室の入口から廊下を眺めた。そして何かを感じ取った彼女は静かに廊下に出て地に耳をつける。どうやら足音が近付いてきているようだった。


「……雪羅ほど耳がいいわけではありませんが、どうやら近くにいるようです、……ほら、やっぱり」


紫音の見つめる先には、骨格標本の姿が見えた。かしゃん、かしゃん、と音を立てながら走ってきているそれは、紫音を目にした瞬間「見ツケタ!!」と叫びながら速度をあげる。どうやら教室内にいる丸井には全然気付いていないようだった。
それもそのはず。廊下からでは見えるはずがない高さに隠れているのだから。
丸井さん、私が合図したらお願いしますね。真剣な表情で骨格標本一点を見つめながら、彼に伝わるくらいの大きさで言い放てば丸井は強く頷いて薬品の蓋を静かに開けた。手に緊張が走るのが分かる。
かしゃん、かしゃん。音はどんどん近くなる。そして丸井が潜んでいる近くの扉上のガラス窓から白の物体が見えたと思ったら、ギリギリまでその場の廊下で踏ん張っていた紫音が急に走り出し教室内に入ってきた。


「今です!」


彼女の声とは思えない声量の短い合図で、持っている蓋の空いた薬品を逆さまにする。どぼどぼと容器から出ていく液体は、ちょうど教室へと走って入ってきた骨格標本に直撃した。


〈ギャアアアアアアアアアアアアア!!!!?!!!?!?!??!!!!〉


耳を劈くような叫び声をあげた骨格標本に、これでもかと言うほど薬品をかけていく丸井。その中身がなくなった瞬間、予め準備していたバケツいっぱいに入ったアルコールをそれ目掛けてぶち撒けた。


「丸井さんこっちに!」


紫音の手にはマッチ。丸井は棚の上を伝って紫音の方へと避難すると同時に、火のついたマッチは放り投げられた。そのタイミングはまさにばっちりで、丸井がその場から急いで離れた瞬間その場からボウッ、と音を立てて炎が燃え上がる。


〈ア"カ"ア"ア"ッッ!!!……ウ"ア"ア"ァァァァ……ッッ!!!!!」


痛い、熱い、と叫び続けている骨格標本。それに戸惑うことなく、紫音は自身の首から提げていた勾玉をすかさず取り出して、それを両手で包み込むように持てば手を組んでぎゅっと握りしめた。そのまま口元へ持っていくその仕草は、何かを祈るよう。
何をしようとしているのか分からない丸井は、上っていた棚から降りながら、どうしたのかと彼女の名前を呼ぼうとした。だが珍しく緊迫している状態が紫音から見て取れたのか、グッと堪えて黙ったまま彼女を見つめた。
紫音は目を閉じて、静かに口を開く。


「……この地の均衡を守りし神よ、秩序を乱す者を在るべき場所へ帰すため、どうかわたくしにお力をお貸しください」

「……!」

「願うは、───""を。」


彼女の言葉の最後の一字を口にした瞬間、紫音や丸井の両脇を小さな風が吹き抜けた。この閉め切った空間に風が生まれる。骨格標本の叫び声と燃え盛る炎の騒音の中に紛れ込む、複数の小さな笑い声。丸井はただただ驚いた顔で、彼女を黙って凝視していた。考えずとも、彼女が何をしようとしているのかが伝わってきたのだ。
それもその筈だ。紫音のその格好は、陰陽術を唱える奈緒の動きに少し似ていたのだから。
ナニヲ、モトメル?───ひゅう、と鳴った綺麗で澄んだ風の『音』は、彼女の耳にはそうハッキリと聞こえていた。姿形は何1つ視えやしないが、気配はこの空間を飛び回っている。


〈キ"サ"マ"ァ"ァ"ァ"ァ"ア"ア"ア"ア"!!!!!!!〉


紫音は閉じていた目をゆっくりと開いて、未だ絶叫を上げながら悶えるそれを見据えた。叫びながら紫音に手を伸ばそうとするが、彼女がすっと後ろに引いたことでそれは叶うことなく。彼女は静かに言葉を続けた。


「四方を封じ、炎の威力を……進行を早める風を。我が身に宿る霊力を糧とし、祓い清める風をお願い申し上げます」

〈ウフフ、マカセテ。〉


そう聞こえた瞬間、びゅおーっと吹いた強い風が骨格標本に巻き付いているかのように、その場の動きを封じた。囲われた"風"の中で、増す炎の勢いと絶叫。普通の人間ならば、悲痛な叫び声をずっと聞いていて平気な者はいない。紫音は眉間に皺を寄せ、丸井は顔を歪めたままそれを見ていた。
骨格標本は最初こそその場でじたばたと動き回っていたが、それも時間が経つにつれてなくなっていき等々姿を消していった。
紫音の言った通り、やはりこの学校は結界で守られているようだ。普通なら大火事になるであろうくらいの燃え上がり用だったそれは、骨格標本が消滅していくと同時に火の威力も消えていき、終いには火なんかついていなかったとでもうように完全に消えてしまった。残るは、風のみ。
紫音が組んでいた手をそっと離せばふっと風が止んだ。それと同時にふらりと彼女の体が傾く。


「はっ!!?」


思わず驚いた声が出てしまった丸井だが、素早く彼女を支えると「ちょっ、大丈夫か紫音!」と少し焦った声で名前を呼んだ。一方、ふらついただけの紫音は体制を整えるとすぐさま丸井から離れ「大丈夫です」と返す。


「……今のって、何?」

「……言う必要、ありますか」

「あるだろぃ。見ちまったんだから」


いつも以上に真剣な瞳で紫音を見つめる丸井に根負けしたのか、彼女は「はぁ、」と深い溜息を吐いて、心底面倒くさそうに目を逸らした。


「……別に起きたことそのままですよ。私の霊力を食べて良いのでその力で祓ってくださいとお願いしただけです」

「聞きたいのはそこじゃねえ。あの急に出てきた風の正体と、何でお前が奈緒みたいなこと出来るんだってことだよい。お前、自分に祓える力はないって前に言ってたよなぁ?」

「そんな細かいこと一々覚えてるなんて暇ですね。……そうですよ、奈緒様のように祓う力はありません。でも、私には使役する力はありますから。だから"今回は"風の妖精にお願いした、それだけです」

「……自分の霊力を代償に?」

「はい。もういいでしょう。」

「……釈然としねえ。まだ聞きたいこといっぱいあんだけど。霊力って取られて平気なわけないよな?さっきより顔色わりぃぞお前。やっぱ今倒れかけた原因って───」

「うるさい人ですねアナタは本当に。時間が経てば回復するので気にしないでください面倒臭いので。と言うか今話すのはかなり時間の無駄だと言うことをご理解してないんですか。そんなに知りたければ奈緒様に聞いてみてはどうです。話してくれるかどうかは別ですけど」

「……お前、怒ってる時だけ饒舌になるよな……でもまぁ時間がねえのは確かだし……あれ?」


音も気配も、紫音と丸井のもののみで静寂に包まれた理科室。骨格標本の姿もそれが纏っていた邪気も、炎や風と一緒に跡形もなく消えた。その場に残ったのは、光る何かだけ。紫音の側から離れて丸井が近づいて見れば、そこには5と書かれたガラス細工が落ちていた。2人の人間が手を繋いでいるような形に見える。


「これ!人体模型と骨格標本だな!」

「……そうですね。ここにこれが落ちていたということは、雪羅たちも既に倒したということでしょう」

「よっしゃ!じゃあ早く奈緒たちがいる図書室に向かおうぜぃ!奈緒のこと心配だろ?」


にっこりと笑った丸井を見て、当然ですと彼からパッと目を逸らした紫音は彼を置いて歩き出す。やっぱり俺にはどっか冷てーんだよな……、なんて呟く丸井は先を歩く彼女を見ながらも小さく笑っていた。





【謎X:歩く人体模型・骨格標本】攻略

幸村「※良い子のみんなは、正しい方法で薬品を使用してね★」
丸井「薬品関係はあんま詳しくねーから間違ってたらこっそり教えてくれると助かるぜぃ!」




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