春の晩餐





『夕食できましたよ〜』


出来立ての料理をダイニングに運ぶと、皆さんは既にテーブルに着いていた。
今夜のメンバーはツナさん、獄寺さん、山本さんに雲雀さん。



「へぇ…今夜は筍づくしか」


並べられた皿を見てツナさんが言う。

筍ご飯に若竹汁、酢味噌和えに土佐煮、まさに今夜の献立は筍料理ばっかり。


「にしても、筍なんかどうしたんだよ?」

『今朝、草壁さんが持って来て下さったんですよ♪』

「草壁さんが?」



雲雀さんの部下の草壁さんとは、たまに彼が雲雀さん関連でここに来た時に話したりする。

初めての時はあの髪型にびっくりしたけど、使用人の私にまで丁寧で凄く良い人なのだ。



「うちの財団所有の竹林に生えたって言うから、朝掘りのを持って来させたんだよ」

『ありがとうございますっ雲雀さん』

「筍食べたかったしね」


そう、草壁さんから貰った筍を見た雲雀さんの口から出た言葉が「筍ご飯食べたい」だったのだ。

でもまぁせっかくの新鮮な筍、早く食べないともったいないしね。

そんな訳で急遽筍づくしの夕食になった。



(((てか…竹林なんか持ってたんだな風紀財団…)))






『冷めない内にどうぞっ』

「「「「 いただきます 」」」」



皆さんが箸をつけたのを見てから私も箸を取る。

筍ご飯を一口食べれば、独特のほろ苦さとコリコリとした食感が広がった。


うん、我ながら美味しくできたと思う。



「筍なんて久しぶりに食ったけど、なんか春って感じだな!」

『ですね〜』

「はっ…単純なヤツ」

「……隼人?」

「…っ!すみません十代目」



いつものように獄寺さんが山本さんに突っ掛かりそうになるのをツナさんが諫める。
食事中は楽しく食べてもらいたいもんね。





「ごちそうさま、美味かったよなまえ」

『お粗末さまでしたっ』



やっぱり旬の物はいいなぁ
まだ筍残ってるからリボーンさんや骸さんにも作ってあげよう。










――――次の日



(草壁さん昨日はありがとうございました!これ、よかったら召し上がって下さいっ)

(私にですか?)

(筍づくしのお弁当です。お口に合えばいいんですが…)

(ありがとうございます名字さん)




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