7.それぞれの思い

1000人目の命

命のカケラもほぼ集まり、いよいよ1000人目の命の回収の指令がくる頃、
ノアは未だに姉の名前を思い出せないでいた。
そしてそのことがノアをイライラさせた。
いつも逆らえないハズのリディーに思わず「バカ」と言ってしまい、
泣きながらげんこつを食らった頭をさすっていたそのとき、
「ノア、あんたの最後の指令が来たわよ」とリディーが。
とそこで渡された指令の紙に書かれていた名前を見てノアは愕然とした。
急に頭の中がひっくり返ったようだった。
そこに書かれていたのは『ロゼル・ルジャーナ』という文字。
「これ…お姉ちゃんの名前だ…!!」
「なんですって?」
「ボク思い出したよ!でも何で!?何で最後の命がお姉ちゃんなの!?」
ノアはその場に泣き崩れ、リディーも声の掛けようが無かった。
「神さま、どうしてノアにこんな残酷な運命をお与えになるのですか…?」
リディーは灰色の空に向かってつぶやいた。


1000人目の理由

ロゼルは相変わらず毎晩孤児院を抜け出しては河原に行き、
夜空を見上げてノアの名を呼び、泣き暮らしていた。
そんなある日のこと、ロゼルはふと河原の水面に浮かんだ月にノアの顔が見えたような気がして地面に座り込んだ。
「ああ、ノア、そこにいたのね。お姉ちゃん疲れちゃった。もうあなたのいない人生なんて耐えれれないわ。今すぐ会いに行くからね…」
ロゼルはノアの形見のロザリオを握りしめ、水面めがけて身を投げた。
ゴボッ…っという音と水の冷たい感触が身を包んだ。
最初は苦しかった息もだんだん苦しくなくなり、ロゼルは意識を失った。
もうすぐ会えるからね、ノア…

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