6.愛の狂気

そしてある日、学校から帰ってくると…
何故か家の中はシーンと静まり返っていた。
パパとママが仕事で家にいないのはいつものことだが使用人とかお姉ちゃんがいるはずだ。
それにしても静か過ぎる…。
私は胸騒ぎがしてあわてて家の中に入った。
すると…
「ヒッ!!な…何よ…コレ…!!」
使用人が胸から血を流して倒れていた。すでに息は無い。
「い…一体誰がこんなことを…!!」
「私よ」
その声に振り向くとお姉ちゃんが包丁を持って私のすぐ後ろに立っていた。
誕生日にもらったあの白いドレスのようなワンピースは返り血で襟元ののリボンと同じ赤色に染まっている。
どこを見ても赤、赤、赤…。
「どうして?何でこんなこと…ヒッ!!」
お姉ちゃんが私の喉に包丁を突き立てた。
「ニコル、愛してる…。だから死んで?」
お姉ちゃんの笑顔そして私の喉から飛び散る赤色…。
そうか、私は死ぬんだ。
ごめん、お姉ちゃん。
お姉ちゃんの気持ちわかってあげられなくって…ごめん…ごめん…ごめん…。
薄れゆく意識の中で私は何度もお姉ちゃんに謝った。

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