■ 05


塗るりと唾液と舌を絡めとる臣のキスは最高に気持ちがいい。

舌を出すとそのまま舐めてチュルリと吸い込まれる。

少し舌を引っ張られて「ンンッ…」声を漏らすと臣の手が私の太腿を通ってそこにたどり着く。

ヒダを掻き分けて中に指を突っ込むと同時、臣の舌が私の首筋をくだって、胸の突起をちゅうーっと吸い上げる。

舌で周りを縁どってチュルチュルと何度も吸い上げるから自然と腰も浮いてきて。

足を開いたそこに、二本目の指が入り込んだ。

指で中をかき混ぜられて身体がビクビク反応する。

どうしようもなく気持ちがいいっ。

嫌なこと全部忘れられるのは、臣に激しく抱かれているこの瞬間だけだ。

決まって私が拒んだ時は忘れたいことがある日であって。

それをここ最近分かってきたであろう臣は、時間も忘れて私を抱き潰す。

がむしゃらに無我夢中で。

一心不乱に私のそこを舐め続ける臣は、唇が腫れるぐらい愛撫に命をかけてくれる。

それがたまらなく快感。




翌朝死んだ様に隣で眠っている臣にギュッと顔を埋める。

精液の臭いでまみれたこの陰湿な部屋で、私達は毎夜毎夜この行為を繰返す。

夜遊びすら知らなかった女が男を知ると、こうなるんだって、身をもって知った。




「臣…」



臣の心は誰を求めているの!?

そう問いかければ臣は間違いなく笑って「麻利亜ちゃんだよ」って言うだろう。

でもこんな得体の知れない女を愛すわけがない。

それぐらいは分かってる。

お金で買われたからそれぐらいのことは返さないとって、そう思っていることぐらい。

臣を待っている人はいないの?

臣に逢いたがってる人はいないの?

薄らと目を開けた臣が腫れた唇で小さく私にキスを落とす。



「臣、いいよ…」



だからこのタイミングでそう言う私に、臣は眠そうな目を擦って私に覆いかぶさった。



「麻利亜ちゃんありがとう」



軽くキスを落としていく臣。

私の身体を十分に舐めてから下が濡れているのを確認して挿入した。

ただ臣の欲望を吐き出すだけの律動に私は毎回心が泣きそうになる。

こんな行為だけで臣を好きになった自分を馬鹿だと思う。

だけど離れられない。

あと二年しか自由な時間は残っていないというのに、これからどうしたらいいのかも何も分からないんだ。



「臣っ…」

「好きだよっ、麻利亜ちゃん…」



絶頂の寸前、耳元で聞こえた臣の言葉にそっと目を閉じると頬を涙が静かに伝う。

今日は何も考えたくない。

ずっと臣の温もりに抱かれていたい。




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