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気持ちが溢れて色んなことが止まらなくなりそう…。


「ユヅキさん」


後から私を覗き込むみたいに顔を寄せた隆二くんは、そのまま私の頬に口づけて…

グイって腕で腰を引き寄せられてクルリと身体を反転させられて。


「オムライスよりも先に私を…?」


キスすれすれでそう聞くと、ブハッてむせて私から離れたんだ。

真っ赤な顔で困ったように髪をかきあげる隆二くんは文句なしに可愛い。

やられっぱなしで悔しいからちょっと反抗してみたらまんまとハマってくれた。


「俺ガッツいてるよね…」

「ガッツいてくれて嬉しいけど…隆二くんってこんな甘いイメージじゃないっていうか…だから私のドキドキが止まらなくて…」


ニコニコしながら私の話をちゃんと最後まで聞いてくれる隆二くん。


「ずっと前から…って…どのくらい前から?」


さっき言った言葉を今頃返されて…

私の頬に隆二くんの頬を擦りつけてド至近距離で見つめ合う。

ほんの少し唇を寄せると、すぐにそれは甘いキスに変わって…


「わりと入社してすぐ…だよ」

「ほんとっ!?」

「うん…」

「すっげぇ嬉しい…。でも俺も結構前からユヅキさんのこと気になってて。おじさん達のアイドルだから中々一歩踏み込めなくて…。事務所でユヅキさんに逢うのがいつの間にか楽しみになってたよ」


初めて知る隆二くんの気持ち。

嬉しくて、嬉しくて…


「オムライスより先に私にしちゃう?」


笑いながら言うと、ギュウって抱きしめられて。


「もう確信犯だなぁユヅキさん!」


そう言って壁にトンって背中をつけるのが合図、隆二くんのキスが舞い降りた――――



首に腕を回す私を片手で抱きよせて舌を絡ませ合う。

思った以上に柔らかい隆二くんの舌は私のそれを舐めるように絡みとって、腰が抜けそうになるのをその片腕でしっかりと支えている。

触れ合う度に擦れる髭も心地よくて、溶けそうなその舌をゆっくりと首筋に移動させていく。


「はぁっ…」


思いっきり息を吐きだすと、隆二くんが私の首にチュウって少しだけ強めに吸いついて…

大きく肩で呼吸を繰り返す私から少しののち顔をあげた私に「俺の印!」そう嬉しそうに笑う隆二くんが届いた。


「つけたの?」

「うん、あ…古かった?今時キスマークとか…」


若干自嘲的笑いを見せた隆二くんだけど、そういうのは嫌いじゃない。


「相手が隆二くんなら何でも嬉しい」


だからそう言った私にまた小さなキスが落ちてきた―――



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