09



「…お邪魔します…」

「ごめんね汚くて…」


部屋に通してくれた隆二くん。

言うほど汚くなんてなくて、というよりかは物がほとんど置いていない。


「寝るだけだったからここ…」

「そんなもんだよね、きっと男の人って」

「う〜ん。でも…ユヅキさん好きに弄っていいよ?ユヅキさんの居場所ここって思って欲しいから…」


その顔でその台詞はズルイ。

ただでさえかっこいいのに、私色に染めていいよ的な発言は…


「隆二くんって確信犯だよね…」

「えっ?なになにっ?」

「そんなこと言わなくても私、ずっと前から隆二くんのこと好きだったから…大丈夫…って、何言ってんだか」


私の言葉に目をまん丸く見開いた隆二くん。

でもすぐに私を引き寄せてギュっと胸に抱きしめた。


「ユヅキさんのが確信犯でしょう」


耳に当たる隆二くんの胸は心臓がバクバクいっているのが振動で伝わっていて。

私ってば何気にすごいこと言ったな…って内心物凄く恥ずかしくなる。

だから隆二くんの胸に顔を埋めて「そうかも…」そう言うと、クスって隆二くんが私の髪を優しく撫でた。


「飯食おっか!俺オムライスがいいな〜」

「え、それオネダリ?」

「うん。ダメ?いいでしょ?」


だからズルイってば!

何て思っているけど口には出せず、腕まくりをして「じゃあ頑張っちゃう!」そう言った。


「風呂沸かすね。一緒に入る?」

「なっ!!それはさすがに…」

「え〜ダメ?」

「ダメ!」


キッパリ言う私の頬にチュって小さなキスを落とす。


「んじゃ仕方ない。今日は諦める…初日だし!」


なんて笑って上着を脱いだんだ。


「隆二くん湧いたらそのまま入ってきていいから」

「え?ダメだよ。ユヅキさんが先に入ってよ。俺なんていつでもいいから」


相変わらず優しくて。

隆二くんの彼女でいたら私、我儘になっちゃうんじゃないの!?なんて思えるほどで。


「その間に私オムライス作るから、その方がいいかなって」

「まぁそっか!分かった」


そう言いながらも、キッチンに立った私を後ろからギュっと抱きしめる隆二くん。

長い手で私のウエストにキュって腕を回して、チュって何度も髪にキスを落とす。


「柔らかいね、ユヅキさん」

「…何かエロイなぁ、そのフレーズ…」

「男だもん俺!もうわりと頭ん中ピンクなことばっかかも…」


そう言って首筋にツーっと舌を這わせた。

ドキン…と胸が脈打つ。

さっきキスをしたばかりの私達…



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