スパ イ ラル〜推理 の絆〜

「やあキヨタカ久しぶり〜。まどかにキヨタカ捕獲作戦頼まれたんだけど、引き受けてもいいかな?」
「やあナマエ、久しぶりだね。いいかどうか聞く前に腕を掴んでいるのはとっても君らしいけど、私はこれからどうしても納豆ババロアからしアイス添えを食べに行かなければならないのでね。失礼するよ」
「お前味覚だいじょうぶか」

 言いながら華麗に手刀を繰り出し、ナマエの拘束から抜け出したナルミキヨタカは、颯爽と廊下を駆け抜けた。追うことは簡単なのだが、いかんせんここは現実世界である。あんまりにも常人離れした技を使うと研究施設にぶちこまれそうなので、いつもナマエはキヨタカを逃がしてばかりいた。

「あ、ちょっとナマエ!アンタ何そこでぼーっとしてんのよ!あの男は!?」
「や、何か納豆ババロアが…」
「何と馬鹿めいたキヨタカ?そんなのは知ってんのよ、あんたしかあの男に対抗できないってのに簡単にまかれてんじゃないわよ!」
「ご、ごめんってまどかさん…」

 いや、この女性のようにドロップキックをかましてもいいのだから、意外と何でもアリかもしれない。


***


「にゃんこ探し?それならうちにも何体かいるからよければ引き取ってくれないか?私はぬいぐるみとかいう柄じゃないしさ」

 日本での新居に並べる猫のぬいぐるみを探しているというカノンに、ナマエはにこやかに申し出た。但しその場には理緒とコースケもおり、場の緊張感はこの上なくぴりぴりと高まっていたのだが。

「……お前何でここにいんだよ」
「え、最近はずっと日本にいたよ?なんか始まりそうだし」
「だから、何でお前がそれを知ってんだって話だよ……」
「まぁまぁ、なるべく邪魔はしないからさ」

 コースケは頭の痛そうな顔でつっこんだ。だが、存在自体規格外なのだから、いくらつっこんでも無駄だろう。

「ところでナマエのにゃんこのコレクションをもらってもいいって本当かい?前アイズから聞いたんだけど、素敵なにゃんこが揃ってるって」
「コレクションっていうか……キヨタカが勝手に送り付けてくるんだけどな……」
「…やっぱりやめておこうかな」
「あっこら、ぬいぐるみに罪はないんだぞ?頼むよ、私じゃもう管理するにも限界なんだって」

 一体何なんだこの会話は、とコースケは溜め息をついた。



戻る
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -