赤井双子妹小話

へまをして拘束された赤井秀一。それを見つけた妹は一瞬これが現実かどうかを疑って固まった。たっぷり数秒固まった後、急に我に返り、

手際よく手錠を外してやった。

「…てっきり一発くらいは好きに殴られるかと思ったんだが」

 両手をさすりながら言った兄に、油断なく周囲の状況を確認していた妹が振り向いた。

「………」
「思いもつかなかった、という顔をしているな」
「……あんたが捕まるなんて状況が非現実すぎて思わず普通に助けちまっただけだ。自惚れるな」

 ははっ、と赤井は素で笑ってしまった。思わずということは、意識しない状況では妹にとって兄は窮地に陥っていたら助ける相手であるということ。普段のあれはポーズだと宣言したようなものだ。全くかわいい妹だ。

「お前が同じ状況になったら同じことをしてやると約束しよう」
「………」

 返答はなかった。そっぽを向いた横顔が可愛すぎて、赤井秀一は思わず自分と同じ顔の頬にキスを送った。……その後、腹に一発キめられてしまったのは愛嬌ということにしておこう。



※赤井秀一が拘束されるほどのヘマが思い浮かばなかったので状況説明はすっ飛ばしました



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