たけのこの里ときのこの山戦争
少年探偵団のメンバーがいやに真剣に言い合っていると思えば、今はやりのお菓子についてらしい。コナンは思わず素で「ハハ…くっだらね」と呟いた。
今のところ歩美、光彦、元太、灰原の四人は拮抗しており、蘭と小五郎もそれぞれ別の回答をし、状況は3対3で膠着。折角だから勝負を付けようと博士と沖矢、梓と安室にも聞いたがやはり綺麗にぴったり別れてしまったらしく。
今現在、きのこの山は歩美、光彦、博士、蘭、安室。たけのこの里は元太、灰原、小五郎、沖矢、梓らしい。
「コナンくんの一票で勝敗が決するんです!」
「どっちなんだよ、コナン!」
「コナンくん、歩美と一緒だよね!?」
光彦、元太、歩美に迫られたコナンは、乾いた笑いをもらした。
「なんで偶数にすんだよ…奇数で止めとけばよかっただろうが」
「だってぇ!」
「あーもうわぁったよ。じゃあ―――」
「あ、ちょっと待ってください!ちゃんと真剣に考えてくださいよ!?ほらここにふたつともありますから、ちゃんと食べて、好きな理由も一緒に答えてください!」
「あら円谷君、黙っていれば彼きっときのこの方に入れたでしょうに。余計に考えさせると面倒よ」
「ええー!何でですか灰原さん!」
「どーせ、どっちでもいいって顔してるんだもの。吉田さんと毛利さんがいるきのこの方に加勢するに決まってるじゃない?」
灰原は、そうでしょ?といつもの目でコナンを見た。どーせそのつもりだったよ、とコナンはまた乾いた笑いをもらしたが、光彦と元太がそうは卸さない。
「そうなんですかコナンくん!」
「何だよそれずりーぞ!ちゃんと考えろよな!」
「めんどくせ…」
つづく。