「記憶喪失になったらどうする?」
「ハ?」
まーたいきなりわっけわかんネェこと言い出しやがった。
「だから、記憶喪失。」
「オレ様がかァ?」
「うん、清春くんが。」
どっかで変なモンに影響されたのかどうかわかンねぇケド、コイツの顔は真剣そのもの。
(キオクソウシツ…?)
何の話ダヨ!と思って悠里を見てっとオレ様の目の前に正座しだす悠里。
「何ダヨ?」
「あのね、清春くん。えっと、」
「?じれってェ!早く言え」
そう促せば真っ直ぐこっちを見る悠里。ほーンとコイツってかわいい。
(おぉッと横道それたナ)
そんなことを思いながら悠里の口からでる言葉を待つ。
「もし清春くんが記憶を失っちゃって、私のことも忘れたとしたら、」
「なーに言ってンダヨ?」
「え?」
いやに真剣だとおもったら、言いだしたことは意味わかンねぇコト。
「何って…、」
「このオレ様がオマエのこと忘れるって言うンか?」
「そりゃあ…まぁ、うん…」
「……」
あまりに薄情な答えにイラッとしたオレは悠里の頬っぺたを左右に引っ張る。
バーカ、どんだけオレ様がオマエに夢中になってンのかわかんねェのかヨ!
「いはいっ!ひよはふふんっ!」
涙目でなんか言ってっケド、ンーなもんムシだ!
こんだけ愛しちゃってンのに、まだ伝わってねェとはナ。
「キシシッ、お前って本当に鈍感なのろまなブーちゃんだよナァ?」
「なっ!それは言いすぎです!」
頬っぺたを離してやってそう言えば、食いかかってくる悠里。
「私はただ、もし清春くんが記憶喪失になってもまた私を好きになってくれるか、って……」
最初こそ勢いだったンだろーケド、途中で恥ずかしくなったのか声は小さくなる。
それでもそんなカワイイ告白をオレ様が聞き逃すハズもなく。
「ナァ、悠里ィ?」
「な、なぁに清春くん。」
突然甘い声で囁いて近づくオレにケイカイしだした悠里は少し後退る。
でも、
「逃がさねェぜ?」
「あっ、ちょっと!」
腰を引き寄せて抱き締めれば腕ン中で暴れやがる。
それをキツく抱き締めて耳元で囁く。
「もうイッカイ、言ってやる。」
「…な、なにを?」
「オレ様はどうっしようもなく悠里に惚れてンだよ。記憶を失ったとしてもオマエのことは忘れねェ。」
「…き、よはるくん…」
暴れてた悠里はおとなしくなって、オレの腕を掴んでた手に力が入ンのがわかる。
「オレ様のこの愛を舐めンじゃねェ。」
「なっ舐めてなんか!」
「こっちの舐めるじゃねェってかァ?」
目の前にある耳をペロッと舐めれば飛び上がる体。
「もうっ!清春くんっ!!」
それを聞き流して悠里と目をあわせる。
「ケド、お前が望むっつーなら、」
「?」
「何度だって愛し直してやる。」
ニッと笑ってそう言えば、赤くなる顔。それを笑うと真っ赤な顔してこっちを睨む悠里。
「愛し直すなんて言葉ありませんっ!」
「いいんダヨ。」
それほど、お前にゾッコンっつーことダ。
覚えとけヨ?オレ様のかわいいブチャイクちゃん。
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