やっと手に入れた。

欲しいものは全て金で手に入れてきたこの俺が唯一自分の手だけで捕まえたもの。

絶対離してなどやらん。

この先、永遠に愛してやる。



「悠里、愛している。」

「私も、翼くん。」


数日前に、悠里はやっと俺の名字とおなじになった。
悠里の名字になったというだけで、ずっと嫌いだったこの真壁の名も好きになるんだから俺はどうかしている。


「ね、翼くん。」

「ん?何だ、悠里。」

「結婚式のときのビデオ、清春くんがDVDにしてくれたって。」

「清春がか?いまさらビデオで見なくてもテレビにも新聞にも俺たちのシキの様子は載っていただろう?」



真壁、という名だけあって、俺たちのケッコンシキにはそれはもう多くのmass mediaが報道していた。

悠里は落ち着かんと言っていたが、マンザラでもないように笑っていた。



「でも、最初から全部映ってるのはないでしょ?」

「最初から?」

「うん。あの、翼くんが噛んだところとか!」



思い出したようにクスクスと笑う悠里をみて思い出す。


「Shit!アレは噛んだわけでは!」

「みみみみなみゆっゆりっ、て!ふふ」

「わっ、笑うな悠里!」



誓いの言葉の時にすこしだけどもっただけだろう!あんなキンチョウを味わうのは初めてだったんだからな!


「でも、翼くんらしくて安心した。」

「安心?」


ワケのわからない言葉に首をかしげれば、悠里もキンチョウしていたと明かした。



「…。なら、もう一度言ってやる。」

「え?」


そのときの顔があまりにCuteで、まぶしくて。
どうしてももう一度愛を誓いたくなった。



「俺は、みな…」

「ちょっ!ちょっと待って!」

「What?」



いきなり止められて驚いていれば、困ったような顔をしている悠里。

誓いの言葉は一回でいいのか?

二回目は気に入らんのか?




「今。南って言いそうだった。」

「…あぁ、確かに。」

「私、もう南じゃない。」



そうはっきり主張する目の前の愛しいツマは少し不安そうな顔。



「…真壁、悠里は、…愛してくれない?」

「…っ、」




Shit!!バカか、お前は。
そんなカワイイことを言ってもう逃げられると思うなよ?




「Of course.…南悠里でなくなったお前も、」



つまり、真壁悠里。

いままでは南悠里を愛してきた。

同じ悠里でも、違う悠里。




だから、これからは。


真壁悠里を…、




「もう一度、愛してやるよ。」





囁きながら、何度も助けてもらったこの小さな体を抱き締めれば、なぜだか懐かしくてひどく安心をおぼえた。





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