「What?担任、なんだソレは。」

「ふふ、ケーキよ。」



バカサイユに入ると翼くんが、さっそく聞いてくれた。

そう、ケーキ。最近みんなの成績があがってきたから、ご褒美にと持ってきたのだ。



「ちょ、ちょっと待て。」

「なぁに?溶けないうちにみんなで食べましょうよ。」


いそいそと取り出す私に制止をかける翼くん。



「それはまさか、お前の手作りcakeではないだろうな…?」

「え?」


いつになく真剣な顔の翼くん。
まわりを見ればいつのまにかみんなも私のほうを真剣な顔でじっとみている。



「そ、そうだけど…昨日作っ」


「Oh my god!」



私が言い終わらないうちに翼くんが頭を抱えて、他の5人は目にもとまらぬ早さでバカサイユをでていった。



「な…なに……?」

「みんな、担任のcakeでまだ死にたくないんだろう。」


わけがわからず瞬きをしていると唯一残った翼くんが、そう言った。


「しっ、失礼な!」

「Why?担任の手作りの食べ物をみているとこの俺でも心臓がバクバクしてジュミョウが縮みそうだぞ。」



なっ!なんて失礼なことを!



「もういいわ!貴方たちなんかにはもうなんにも作ってあげません!」


これも自分で食べてやる!と箱からケーキをとりだしてかぶりつく。



「っ!しょっぱ!ケホッ」



塩と間違えたのかしら…。視線をあげれば、ほらみろと言わんばかりの翼くんの顔。



「ど、どうせ私は料理が…」

「(ペロッ)」

「!!?」



口のそばに生暖かい感触。目の前にはペロリと舌をだす翼くん。


これは………もしかしなくても…



「フン、しょっぱいな。」



そんなことを言われてもパクパクとしか動かない私の口。





「まぁ、俺の嫁にくるときまでには上達しておくんだな。」



にやりと笑ってバカサイユをでていく翼くんを見送りながら、心臓がバクバクするのを感じていた。







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