カーテンの隙間から入ってくる光で悠里は目が覚めた。もう朝が寒いわけじゃないから目覚めもいい。
きょうは日曜日だけど、昼まで寝てるのもね。そう思って起き上がろうとすれば、動かない体。
目を開けて体を見れば胸のしたでガッチリと絡まっている腕。それは確認しなくても、横で寝ている清春の手で。
昨日は確か帰りは遅いと聞いていて、それでも寝ずに待っていた悠里だが3時を過ぎたところで寝てしまっていた。だからいつ帰ってきたのかは確かではないけどきっと朝方に帰ってきたんだろう。
(ちょっと腕外しますよー)
小声で言って清春の腕に手をかける。
(あれ?)
けれどその腕は意外と強く絡められていたみたいでなかなか外れない。
こんなにガッチリ抱き締められてるとベッドからでれないし、清春の方へ向くこともできない。
「清春くん、」
「………」
声をかけたところで起きる様子もなくて。
(どうしようかしら。)
無理やりでてみようか。
それとも、もうちょっとこのまま。
日曜日だし、なによりも彼の腕の中は心地いい。そう理由をつけて悠里はこのまま過ごすことにした。
態勢を整えようとモゾモゾ。
「…まだ、ダメだ。」
「え?」
ふいに聞こえた声に耳を傾けると強まる腕の力。
「清春くん、もう昼来るよ」
「ん……お前が足んねェ」
「た、たんないって!」
「じゅー、でん…だっつぅの」
そう言ったあと、スースーと聞こえてくる寝息。
「き、きよはるくんっ!」
もうこうなったら起きない。そして揺るむことも知らない腕。
でもそんなことは問題じゃなく。
(きよはるくんのせいだ!)
ひとりベッドで真っ赤になる悠里の顔がいちばんの問題だったりしたとかしないとか。
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