今日もいつもと変わらないはずだった。
「センセー!ハグーっ!」
「きゃっ!」
いつもと変わらないハグにセンセの小さな悲鳴。
「悟郎くん!いきなりびっくりしちゃうでしょ!」
そう言って少し怒ってゴロちゃんのハグから脱出するのもいつもと一緒。
「えー、じゃあ前に持ってハグするよ〜って言ってたらいいの?」
「そういうわけじゃありません。それに、前に持ってじゃなくて前もって、ね。」
ゴロちゃんの間違いに少し呆れながら笑うセンセイもいつもと変わらない。
「あれ?センセ、それどうしたの?」
「え?それって?」
変わらないはずだったのに。
「こーこ。」
人差し指でセンセの唇を指差す。そこにはいつもと違うピンク色とと甘い匂い。
「グロス?めずらし〜!いっつもはリップなのに!」
「リップなくしちゃってね、そしたら衣笠先生がくださって…」
「へ〜!ポペラ甘い匂いするネ☆」
やっぱり教師が不謹慎かしら、と心配してるセンセをまじまじと見てみる。いつもと違ってピンク色が映えたセンセはいつもよりかわいくってつい、手が伸びた。
「悟郎く……………」
ちゅっ
ふにゅっとした触感を味わって目をあけるとセンセの顔がこんなに近くに。
ん?今のってもしかして。
「………あれぇ?まさか、ゴロちゃん理性失ってた?」
「!!!?」
気付いたらセンセのかわいい唇に近づいてて自分でもコントロールできなくて、ゴロちゃんセンセにキスしちゃった。
「ごっ!ごろっ、ごろうくん!?」
ゴロちゃん以上にびっくりしてるセンセは真っ赤な顔で口をパクパクさせながらゴロちゃんの名前を呼んでる。
怒られちゃうかな?でも……。
「センセが、ダメなんだからね!」
「えぇ!!?」
「だって…。いきなりいつもよりパラッペかわいくなっちゃうんだもん!」
そう!そうだよ!センセがいつもと違うんだったらゴロちゃんだって違うよ。いつもみたいにハグだけじゃやめてあげない!
「そ、そんな理由って………!」
顔を赤くしたままでまだ理解できてないセンセのために教えてあげようかな。
(僕は健全な男子生徒なので)
← | →.
.