いつの間にか惹かれていたんだ。
あの小さな体で、勇敢に何にでも立ち向かっていく貴女に。
「鳳先生っ!」
今日も君は、そのトレードマークのピンクのスーツを少し乱して走っている。
「どうかしたのかな、先生。」
そんな野暮なこと、聞かなくてもわかっているけどついつい話をかけてしまうのは、彼女と話がしたいからなのだろうか。それとも今日が特別な日だから、余計なのだろうか。
「お聞きしたいことがあって…」
そうして困ったように笑う。そんなときはいつだって、彼女が受け持つ問題児についてのこと。
「草薙くんがまた何かしたかい?」
頼られるのはもちろん嬉しいのだから、いつものようにやさしく聞く。
「えっ?あ、そうじゃなくて…、」
自分より全然小さい先生は、少し顔を赤くしながらモゴモゴと何か言い始める。
その姿もとてもかわいいのだけど。
「なにを聞きたいのかな?」
生徒達のことを聞きたいのでないならば、その質問が気になるのは当たり前。
なぜなら今日はいつもと違う日。
「…甘いものはお好きですか?」
「甘いもの?」
「ケーキ、とか…」
年齢的にも喜ぶ年ではないのだけれど。
「くれるのかい?」
「!…もらってくれるんですか?」
「それは、もちろん。」
貴女が祝ってくれるというのならば、その日は特別な日に変わりなくて。
「鳳先生、」
「ん?」
「お誕生日おめでとうございます。」
B6のみんな、今日1日くらい、南先生を独り占めしてもいいよね。
#鳳先生おめでとうございます!初めてがこんなのでごめんなさい
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