第五話
「別にそれが普通やない?」


「普通か?」


「おん、だって俺らはまだ1年やから2,3年とは体格差もある。
それで何も思わん方が変やと思わん?」



白石の言葉は、大人ならだれてもが言うであろう模範的なものであった。
流石聖書と言ったところであろうか。


「そうか……、何かすまんかったな初対面でいきなりこないな話してもおて。」


「別にええねん。困ったときはお互い様やろ。」


終始優しい笑みを浮かべている白石。
確かにモテそうな顔をしている。今は奥様方に絶大的な人気が有りそうだ。
そのうちお姉様方にもモテそうだが。
……あぁ、だから逆ナンが苦手なのか。納得だ。


「なぁ、そう言えば名前まだ聞いとらんかったな。
俺白石蔵ノ介。じぶんは何ていうん?」


どうやら自己紹介を忘れていたらしい。
俺自身が白石を知っていたので何ら気にしていなかった。


「俺は忍足謙也や!!よろしゅうな白石君!」


「おお、よろしゅう。………あぁ、もう部活終了の時間か。
なぁ忍足君って帰りどっち?俺あっちやねんけど、良かったら一緒に帰らん?」


思ってもみない大チャンスだ。
俺はにやける顔を隠しながら白石に言葉を放った。


「俺もあっちやねん。一緒に帰ろうや!」


「おん!ほな行こか。」





そこからは他愛もない話をしながら帰宅した。



「あ、俺んちこっちや。」


「そうなん?俺んちあちやからここでお別れやな。」


「せやな。今日はほんま有難うな!助かったわ。」


「気にしとらんよ。ほな、またな。」


「おん。またな!!」



俺は手を振りながら歩き出す白石に手を振り返すと家にむかい歩き出した。


「本当に今日はいい収穫があったなあ。」


俺の独り言が夕焼けの空に消えていった。




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