第二話
入学式も無事終わり、クラスメート達が騒ぎ出した。
俺は身仕度を立ち上がると、入口にむかって歩きだす。
「謙也ぁ!お前これからどないすんの?」
同じ小学校だった奴が話し掛けてきた。
「そんなん決まっとるやろ!!部活見学に行くっちゅー話や!!」
「やる気あるなぁ!やっぱテニス部入るん?」
「当たり前やろ!他に何処入れっちゅーねん!!」
俺の言葉にそいつは笑って手を振った。
俺もそれに答えながら教室を後にした。
そう、俺にはテニス部以外に選択肢など無い。
俺はテニス部に入り、レギュラーになって、最後の大会に出場出来ずに3年間を終わる運命なのだ。
それ以外はありえない。
俺は一つ笑みをこぼしてテニスコートへと歩きだした。
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