第一話
朝、通勤中の人々に紛れ、俺はただ歩いていた。


桜の咲き乱れる4月の頭頃、
俺は今中学の入学式だ。

もちろん学校は四天宝寺である。


今から原作が動き出す。
主人公が現れるのは、二年後だが、
仲間たちの信頼を得るのは、それなりに時間がかかる。


原作の雰囲気を作るには、今からが大切のだ。
一年だからといって気を抜くことは出来ない。


俺は忍足謙也に成らなければいけないのだ。








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―――…




学校の前は、がやがやと騒がしかった。


これも、原作にあった、笑いをとらないと門の中に入れないというやつだろう。

何かと笑いに繋げたがる。
心底この学校は俺…、いや、『私』には合わない。
しかし俺には合わせなければいけないのだ。




一つ大きく深呼吸をし、
俺は門に向かって走り出した。もちろん全速力で。

ここ数年で俺の脚力は一段と上がり、スピードスターヘの道程を進んでいる。
つまり、結構速いのだ。

そのまま門を通過する。

「ちょっ……おい!!お前まてや!!!」

「ははは!、誰も俺を止めれんっちゅー話や!!」

そして自らの足に引っかかってこける。



ずさぁぁぁ!!!



ああぁ!!痛った!!めっちゃ痛った!!!

最後の仕上げとでも言うように、転がりまわる。

周りからドッと歓声が上がった。


俺は、ピタリと転がるのを止め、立ち上がり、ペコペコと頭を下げる。

どうもおおきに!

そう言って颯爽と走っていく。

これで第一の印象はまぁいいだろう。
ある程度馬鹿だと思われた方がこちらとしてもやりやすい。


これからは部活でもキャラを浸透させなければいけない。
まずは、自然に未来のレギュラーに絡みに行こうか。









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