第六話
そんなこんなで、俺は小学生六年生になった。


もちろんテニスも続けている。
俺は侑士とダブルスを組んだりして、関西ではそれなりのプレイヤーになった。
そのため、たまに全国大会にも出場していた。


そのせいだろうか、俺と侑士には関東の私立中学からそれなりのスカウトがあった。



俺は自分の行く学校は、もうすでに決めてあるので
スカウトに乗るつもりはないのだが、


侑士は迷っているようだった。





「なぁ、謙也……、どないしよう」



突然俺の家に来た侑士は、
先程から俺のベットの上でうんうんと唸っていた。



「そんなん知らんわ」



侑士は俺に助言を求めているようだったが、
正直に言って、俺は侑士に氷帝に行ってもらいたい。

でもそれは侑士が決めることなので、俺は何も言えないのだ。



「知らんわって、……えらい薄情やなぁ」


「そんなん、決めるのも行くのも侑士なんやから、
俺が決めたらあかんやろ」

「せやけど……、謙也は何処いくん??」


侑士は、テニスのために関東に行こうと思っている半面、
むこうの生活を案じて行きたくないと思っているのだろう。



「そんな悩むくらいなら、いっそ大阪の中学受ければええやん。」


「それが簡単に決めれたら苦労せんわ……」


「……っあぁ!!いつまでもうじうじ悩みおって鬱陶しい!もうずっと悩んどればええやん!!」


そう言って俺は侑士を部屋から追い出した。



少なからず侑士は次に会った時には進路を決めているだろう。

何だかんだ言って侑士はわかりやすいし、行動力もある。
きっと自分で決めて氷帝に行くだろう。



「あぁ、疲れた……」



俺はベットに寝転び、眠りについた。







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