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自分は割とポジティブな方だと思っているけど、ここ最近はネガティブかもしれない
あの美人の先輩の事で毎日頭と心が痛くて苦しい
そう言えばあの美人さんは櫻宮さんと言うらしい
苗字まで綺麗とか反則だと思う
この間だって、用事があって泉田先輩の所に行ったら櫻宮先輩が隣にいて、泉田先輩が気づく前に櫻宮先輩が私に気づいたの
その時にすっごく綺麗な笑顔で会釈されて、あれ?私じゃなくて櫻宮先輩が泉田先輩の彼女だったかな?って錯覚しそうになった位に泉田先輩の隣が似合ってた
本当にあの余裕は何だろう
美人の余裕程怖く感じるものはないなと震えた
何か直接意地悪されたり言われることも無く向こうは凄くにこやかに笑うだけ
いっそのこと文句のひとつでも言われてしまった方がよっぽど気が楽だとつくづく思う
彼女の私がこんなにも余裕がなくて、一体何してるんだろう…と考えたらため息が出る
「んだよアオ、シケたツラして」
「あ、黒田先輩…実は」
なんとなく誰かに聞いてもらわなきゃ苦しかったから、黒田先輩に話を聞いてもらった
あんまり愚痴は言いたくないのにと思いながらも話すと少し楽になるもので
黒田先輩は何気に人の話を聞くのも上手だと思うし、いつも助けられてる気がする
「あー、櫻宮な。最近確かによく見かける」
「やっぱり美人さんの方がいいのかな」
「関係ねーだろ。塔一郎に限って」
「だといいなぁ」
「別にアオが思ってる事、普通に塔一郎に言えばいいと思うぜ」
「嫌ですよ…重い女だと思われたくないし…只でさえ余裕ないのに」
「そーかよ。まぁオレは言えばいいと思うけどな」
「考えときます…ちょっと楽になりました、ありがとうございます」
「そら良かったな」
じゃあ行くわ、と黒田先輩は私の頭をクシャっと撫でるとそのまま行ってしまった
なんかそういう所様になるよなぁ…
と思いつつも私は泉田先輩に頭を撫でて貰った時を思い出して、泉田先輩の体温を感じたくなって胸がキューっと苦しくなった
でもその日の泉田先輩は何だか私と話してても上の空だったし、目をちゃんと合わせてくれなかったり
だから思わず「先輩は私の事、好きでいてくれてますか?」って言ってしまった
そしたら小さくため息をついて
「当たり前だろう。アオちゃんこそ本当にボクが好きなの?」
なんて聞かれてしまって悲しくなった
なんで、そんな事言うんだろう
いや、私が変な事聞いたから…??
お互いなんだかぎこちなくて居心地が悪くてこんなの初めてで
「先輩、私何か怒らせることしました?何か嫌な事しました?何かあるのなら言ってください」
嫌われたくないんです
と小さく呟けば先輩が私の頭を撫でようとしたと思ったのに、頭に触れる直前で先輩の掌がぐっと握られて
結局私の頭に触れることなく、だけどその代わりふんわりと抱きしめられた
「怒ることなんてないよ。ずっと苦しい位に君が好きなのに」
その先輩の声が何だか切なくて
それでも単純な私は「好き」の言葉が嬉しくて、そのままギュッと抱きつけば先輩は少し困ったような顔をした
その後触れるだけのキスをしてくれたと思ったら、今度は先輩に力いっぱい抱きしめられて
このまま離れたくないと頬を擦り寄せたら先輩はまた小さく溜息を吐いて
「このまま2人だけの世界になればいいのにね」
なんて珍しい事を言われて沈んでた心にじんわりと幸せな気持ちが染み渡って
私はこんなにも先輩が好きだと改めて感じて、また胸がキューっと苦しくなった
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