荒北先輩の体操服姿がかっこいい!!!

何にしてもかっこいいのには変わりないないんだけど、体操服姿は中々見られないからレアだと思う

本当にスタイルいいし、今すぐギュッて抱きついてしまいたい…
だけど人だらけのこの運動場でそれは無理な話で

球技大会、種目は色々あるけれど荒北先輩はドッヂボールに出ていた
ドッヂボール…可愛い…小学生みたい…

始まる前はそんな風に思ったけど、ガチモードのドッヂボールは恐ろしいと初めて知りました

先輩さ、「チッ、球技大会とかダリィっつーの。適当にやっときゃいいだろ」とか言ってたくせに目がマジじゃないですか


ガチで当てに行ってるし、当てたら当てたで「ッシャ!」ってガッツポーズしたの…私はちゃんと見ていたからね
後で言おう!からかおう!ってニヤニヤしていたけれど先輩のクラスの女の人の声援が聞こえて思わず見てしまった

先輩がかっこいいのがバレちゃう!!
嫌だ、嫌だ!
かっこいいのは当然だけど、モテモテになったら困る!!

私だけの先輩でいて欲しいのに
って、はい、わがままなのわかってますよ

試合が終わって当然先輩のクラスが勝って
話せるかな…話したいなって近づいてみたけど私が行く前に先輩は女の人たちに囲まれてしまった

先輩は背中を向けてるからどんな表情で話してるかわからないけど…
女の先輩の顔をチェックしてたら美人で大人びた人ばかりだった

自信なくしちゃう
女の先輩もだけど、荒北先輩も後ろ姿とは言え改めて見たら大人っぽくて、私とは違うと痛感した
何だか先輩が遠くに感じてしまって

同じ年だったら良かったのになってこんな時に思う

寂しいな、寂しいな…

何となく、話しかけれなくてその場を後にした
先輩は私に気づいてなかったからいいや

なんて思ってたのに

「おい」
「え?」

腕を掴まれて振り返れば荒北先輩がいて
好き、大好き、本当にかっこいい

先輩の顔を見たら何だか泣きそうになって必死に堪えた

「なんつー顔してんだよバァカ」

言葉を探すけど上手く言葉が出てこなくて、先輩の体操服の裾を掴む

先輩はため息をつくと、そのまま私の手を掴んで歩き出した



ズンズンと歩く先輩は、マンガやドラマでよくあるような「歩幅を合わせてくれてる!」なんて事はなく
引っ張られながらもそんな先輩が凄くかっこよくて

何だかんだ言って優しい先輩は普段はゆっくり歩いてくれてるんだけど、今はきっと恥ずかしいんだと思う

運動場だし、人も沢山いるし、本当はこういうの苦手なのに先輩はどこまでも優しい

そんな先輩を知ってるのは私だけ
私だけだったらいいな

新開先輩とすれ違った時に、新開先輩が何かを察したのか「靖友、鍵!」と投げたのは部室の鍵で

何で持ってるんだろう…サボりかな…と思いつつ

荒北先輩が「サンキュ」って言って受け取った
なのでそのまま部室に来たんだ


「で?どうしたんダヨ」

私の眼をじっと見て先輩が言う
その目に私は何度射抜かれただろう
目の前に先輩がいる
ここは二人きりだから、甘えてもいいよね

もう我慢出来ない

答える前に先輩に抱きつけば、先輩はちゃんと受け止めてくれた
先輩の匂いが鼻を擽る

「なんで先輩と同じ年じゃないんだろう」
「ハァ?何訳わかんねェ事言ってんだよ」
「何か、2つの年の差が大きく感じる…置いていかれてばっかりで寂しい」
「意味ワカンネ」
「私、もっと大人っぽくなりたいです…」
「ハッ!そら無理な話だろ」
「わかってるもん」
「別に背伸びしなくてもいいだろ、そのままで」

何度も言ってんだろって先輩の言葉が嬉しくて更にギュッてしたら先輩は「バァカ」って笑う

「甘えんぼだねェ、アオチャンは」

やばい…今日は優しい日だ!!!

「先輩が好きだから甘えたくなるんですー」
「ハイハイソウデスカ」

顔は無表情なのにほっぺがちょっと赤いの…ずるい

「好き、先輩大好き」

私は精一杯背伸びして、先輩のクビに腕を絡めて引き寄せて…キスをした

キスしてってお願いするよりもこっちの方が早く先輩とキス出来るから

先輩はそう言う時怒らないし嫌がらないの、もう知ってる

お願いすると最後は絶対してくれるけど、すんなりキスしてくれないから…待てない時はもう遠慮するのやめたんだ


唇を離すと先輩と目が合って
少し睨む様な顔をしているけど怖くないよ

「先輩かっこいい…すき…」
「…バァカ」

そう言って先輩は私の頬を両手で包むから、私はそっと目を閉じた

唇が触れる直前

あんがとネ≠チて優しい声で先輩は言った

先輩の声に、言葉に胸がときめいて
唇にかかる先輩の息にクラクラした

そんな事考えてる間は一瞬で…
今度はすぐ降ってきた先輩のキスに酔いしれたんだ


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