朝からチャリ乗って、昼間は学校でベンキョーしてそれからまたチャリに乗る

学校が休みの時はずっとチャリ
そんな生活が当たり前になって3年目

最近ではアオが隣にいる事も当たり前になって
カノジョとか別にいらねェしなんて思ってたのにどうなるかわかんねぇもんだ

だからと言ってコイツも同じ部だから生活的に変わることは無いケド


今日もいつも通り部活して
自主練も終わった所だけどアオの仕事は終わってないらしく待ってる事にした

別に気まぐれだっつーの!
さっさと仕事終わらせとけよ遅ぇ

…なんて、アオ見たらそんな事言えねぇし

チャリ乗ってなくても走り回ってっから、オレたちと同じ様に汗かきながら仕事してんだもんな
それもオレらん為にな、全部

だからそんな事言える訳がねェんだよ
待ってるくらい別にどってことねぇし

そんな風に本人には小っ恥ずかしいから言うつもりはねーけどな


待ってたら眠くなってきて
あー…まだオレ着替えてねーのに…
目を閉じたらそのまま寝落ちてしまった


夢を見てるのか何か温かくて柔らかいモノに触れていて
ぼんやりとキモチイと夢の中で思いつつ
これが何か夢の中で考えた時にふとアオの顔が浮かんだ

ハッ!夢の中にまで出てくるとか笑っちまう

あー…アオの存在はオレん中で大きくなってんだ
そう思ったら柄に無く心も温かい気持ちになった

目を開けたら至近距離にアオの顔があって

さっきのは夢か現実か区別がつかなくて一瞬混乱したが、アレは夢
目の前のアオは慌てていて、コイツもしかして…

「せ、先輩!?おはっおはようござ」
「アオちゃん、ナニしてたのォ?」
「えっ!?」

顔真っ赤にして慌てて面白ぇ顔

「もしかしてキスしようとしてたァ?」
「…」
「もしかしてしようと、じゃなくてした…か?」

あ、当たりだな
わかりやすいんだよったく…

顔真っ赤にしたまま目ェ潤ませて
「ごめんなさい」って後退ろうとするアオの腕を掴んで引き寄せて、そのままキスしたらアオのやつ固まってやんの

「バァカ」
「ごめんなさい!」
「別に怒ってねーし」
「本当に?」

申し訳なさげに聞いてくるコイツは大胆なくせに変な所で気にするから可笑しいよな

何かそゆ所もツボっつーか…

そのまま腕の中に閉じ込めて
汗がとか何とか気にしてっけどそらお互い様ダロ?

「先輩、好き」
「ハイハイ」
「あったかい」
「アチィだろ」
「先輩の体温好き過ぎる」
「んだよソレ」

ワケわかんねぇ事時々言うよなホント
でも夢の中で感じた温かさを思い出して暑いケドオレもこうやって抱き合うのは嫌いじゃねェのな

離した時にアオの手がオレの下腹部を掠って
まだ着替えてなくてレーパンだからちょっとヤバいカモ…

アオの顔を見たら気付いてないからホッとして

素早くアオと距離を置いて背中を向けた
落ち着け落ち着けと頭ん中で呪文のように唱えて
夢の事やさっきまでのことも相まってなかなか落ち着かないソレに困る

数字を奇数だけ言ってみたり、去年の文化祭で見た新開の気持ち悪ぃ女装姿を思い出して少し落ち着いた

なのに

「荒北先輩…?」
「…」

答えられないでいたらオレの背中に抱きついて来た
っ!だからァ!!

「…離れろ」
「えっ!?やっぱり怒ってますか!?」
「怒ってねーから…離れろ、とりあえず今は」
「やだ!」
「バカ!怒んぞ!!」

思わず声を荒らげちまって罪悪感が襲う反面、こっちの気も知らずまだくっついてくるアオに腹も立つ

もうシラネ…!

そのままアオをロッカーに押さえつけて噛み付くようにキスをした

苛立ってるからなのか興奮してるからなのか…優しいキスなんざ出来ねぇ
アオの口ん中に舌ねじ込んでそのまま絡めれば、一瞬アオが逃げた
それにも何故かイライラしてアオ舌追っかけてすぐ捕らえたらそのまま離すまいと執拗に口内を荒らした

息継ぎの隙も与えねェ
時々漏れる声も今のオレには…煽りにしか聞こえねぇ
掴んでる肩にも力が入る

頭ん中でこれ以上はやめろと警鐘が鳴るのにオレはそれを無視して

もっともっと、と止まらねェ

抱いて欲しいとか言ってたなァ何度も
ならもういいんじゃねェ?
待たせてる意味もないんじゃねぇか?

肩じゃなくて、あちこちコイツに触れてしまえ
元々アイツも望んでた事だろ?ならいいダロ別に

んでオレも我慢してんだよ、バカバカしい

そんな風にどんどん思考がおかしくなって行く

ちっせぇ事なのにこんな風に爆発するとか情けねぇ

一瞬、唇を離したら

「先輩、好き…」

泣きながらアオが言ったんだ
一気に頭ん中が罪悪感だらけになった
何しんてんだよオレァ

「悪ぃ…」
「なんで先輩が謝るの」
「怖がらせちまった…ダロ?」

涙ボロボロ零しながらアタマにハテナ浮かべてるアオに戸惑いが隠せねぇ


「嬉しかった…んですけど、え??」

え??はコッチだっつーの
一気に脱力感に襲われてしゃがみこんで頭を抱える

そしたらアオもオレん前にしゃがんで

「先輩」
「んだよ…」
「もっかいチューして欲しいんですけど」
「はぁ…!?ヤダね」
「何でですかー!」
「ッセ!!あっち行け」
「やだー!ねー!お願いしますー!」
「イヤだ」


オレの気持ちなんて知らずに無邪気にまとわりついて来るアオに心ん中で苦笑いしつつも、アオの“お願い”攻撃をかわす

…結局かわせたかどうかは2人だけの秘密、ってな

ハァ…

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