今日は学校の都合で急遽部活が休みになった
貴重な休みだからアオと過ごしたい、そう思い誘う事にした
どこか出かけるか…アオはどうしたいかな
「今日は部活が休みなんだ」
「そっか、またウチに来る?」
ゆっくり話したい、とアオはオレのシャツを控えめに掴んでそう言った
その顔が、その仕草が可愛くてその言葉が嬉しくて顔に出ていたと思う
顔を見合わせて、お互い笑い合う
ああ、自然な笑顔だ…そう思うと嬉しくて
アオは笑ってるのに、ポロッと目からこぼれ落ちたのは涙だった
「あれ、おかしいな…嬉しいのに、嬉しいから…じゃなくて嬉しいのが嬉しくて… 」
一生懸命笑顔を作るのにとめどなく溢れる涙
「わかったよアオ、大丈夫だから」
そっと指先でぬぐえば、「あったかい」って呟いて泣くんだ
そのままアオを引き寄せて、落ち着かせるようにゆっくりトントンと背中を叩けば小さな声でまた「隼人くん、あったかい」とギュッとしがみついてきて
それが嬉しくて仕方がなかった
アオが落ち着いてからコンビニで飲み物と菓子を買ってからアオの家に行って
クラスであった事や小テストの事とかくだらない話をして、アオの体育の時の話とかも聞いていて楽しかった
アオが楽しそうに話してくれるから余計にだ
「ん?なぁに?隼人くん、じっと見て」
「いや、アオが楽しそうだなって」
本当に、楽しいと少しでも思っていてくれたらと願いつつ
そしたらアオは
「うん、楽しいみたい」
と満面の笑みで言ったんだ
その瞬間、堪らなくなって衝動的にアオを抱きしめた
怖がらせないように気をつけていたのに、抑えられなかった
抑えられないこの感情は…何だろうか
「アオ、好きだよ。おめさんが好き」
伝われと願いながら呪文のように何度も言った「好きだ」と言う言葉
本当に好きだ、と…
アオが心底好きでたまらない
まだ一方通行だとそう思ってた
いつか、オレを見てくれたらそれでいいと
「うん、私も好きだよ」
いつもは嬉しい≠ニかありがとう≠セったのに
初めて聞いたその言葉にオレは一瞬ワケがわからなくなった
頭が回らなくてその言葉の意味を理解すれば、今度は頭が真っ白になって
その後は心臓がドクドクと驚くくらい高鳴って
あ、やべぇかも…
そう思った時には手遅れだった
人前で、ましてや好きな子の前で泣くとか
「やば…情けねーな」
取り繕って笑うけど多分笑えてないな
本当、情けない
だけど、そんなオレにギューッとアオは抱きついて「ごめんね」って言うからオレは首を横に振った
「ありがとう、隼人くん…好き、大好きだよ」
顔が見たくてアオの顔を見ればお互い泣き笑いで
自分なりに優しくキスをしたら「隼人くん、あったかい…好き」と言われて
情けないけど、限界かもしれない
アオに触れたくて、もっとアオの心の中に入りたくて
今なら色々もっと伝えられる気がして
「おめさんが好き。なぁ、大切にするから…抱いてもいいか?」
オレの言葉にアオの瞳は揺れる事がなくて
ちゃんとオレの目を見て、小さく頷いたて
やっと、やっと…通じた、そんな瞬間だった
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