「隼人くんおはよう!」
「アオおはよう」

笑顔が可愛くて堪らない

ちゃんとオレを見て笑うアオ
それがようやく当たり前になってきた

まだ皆に対してそうではないが、それでも少しずつ変わってきている
とりあえず今は、オレを信用してそうやって居てくれてるのならそれでいいんだ


部活の休憩時間に、ウサ吉におやつをあげようとウサギ小屋に向かうとアオがいて

驚かせてやろうかとゆっくり近づけば、ウサ吉に何か話してるようだ


「ウサ吉はあったかいね。隼人くんじゃなくて私でもこんなに懐いてくれるの?かわいいなぁ」

何か独り言…じゃなくてウサ吉と会話しているアオに声がかけられないでいた

本心が、聞ける気がして…オレは狡い


「早く隼人くんに会いたい?私も会いたいよ〜でも部活だから私で我慢してね。隼人くんにギュッてされるのウサ吉も好き?私も好きだよ。あったくて心がポカポカするね」

「ウサ吉も私も隼人くんに大切にされて幸せ者だよね。ウサ吉もそう思…ん?誰かいるの…あ!」

隼人くん!と目を丸くするアオ
ウサ吉は飛び付いて来てそのまま受け止めた

「え、もしかして聞いてた」
「いや、まぁ…」
「は、恥ずかしい〜」

そう言って顔を伏せてしまったアオが可愛くて
顔は伏せてるけど、赤い耳は見えていてそれが堪らない気持ちにさせられる

片手にウサ吉、もう片方の腕でアオを抱きしめる

ずっと大切にしたいモノ達

伝われと願えば

「私も…ウサ吉も幸せだよ。大切にしてくれてありがとう。隼人くんが大好き!」

そう言ってギュッとアオがオレのジャージの裾を掴んだ

無性にキスがしたい、そう思えばウサ吉はオレの腕から降りておやつに持ってきた人参を食べ始めた

だから今度は両腕でしっかりアオを抱きしめる

「あったかい…幸せ」
「オレも幸せだよ。アオ」

なぁに?とこちらを向いたアオの頬に手を添えて

「好きだよ。おめさんの事、これからもずっと…」

アオが目を細めて嬉しそうに笑う


ここまで本当に…アオは大変だったと思う
オレを信用する事も…勇気のいる事だったと思う

心を開いて、信じてくれて、好きだと笑うアオをこれからも大切にしていきたい

アオが笑うと、アオを抱きしめると心が温かくなるのはオレも同じなんだ

「私も大好きだよ。ずっと傍に居させてね」

そう眉を下げて少し不安げに言うアオに伝わるようにと願いながら、ゆっくりアオにキスをした









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