私ってなんだろう
いつから上手く笑えなくなったんだろう

投げやりな自分が嫌になるけど、流されやすい自分が嫌になるけど、嫌になるって考える事すらもうめんどくさい

付き合ってって言われたら、生理的に無理じゃなかったら頷くし、エッチしたいって言われたらそうですかと簡単に抱かれる

でも結局長続きなんてしない
だけどまた新たに誰か寄ってくるから同じことの繰り返し

そんな事をしていたら、誰かが傍にいないと不安になって
時々凄く嫌になって泣き叫びたくなるけどそう考える気力も最近はなくなってしまった

彼氏と初体験したんだと嬉しそうに話す友達をぼんやり見ながら話を聞く
素直に幸せそうだな、と…

私の、私の初体験とは天と地の違い

私の初体験は周りに煽られて無理やり付き合う事になった先輩
断りきれなくて、毎日どう断ろうかそんな事ばかり考えていた

なのに、あの日…私は嫌だった言ったのに…
全然聞いてくれないし、怖かった
なのに「そんな事言って嬉しい癖に」って無理矢理私を抱いたんだ

それから程なくして別れたんだけど

先輩の話を聞いてオレもオレもと寄ってきた人たち
もう、なんだか面倒くさくなっちゃった

そこから普通だったら男の人が怖くなって、関われなくなるんだろうね
でも私は投げやりになって、今に至る

好き、って感情なんてもう忘れてしまった
尊い、ってなんだろう

そんなもの、私には…わからないよ

きっともうそんな感情を忘れたまま、誰からもまともに好かれる事もなく…
よくわからない人と付き合って抱かれて

そのまま時が過ぎて行くのだろう

だけど

「山田さん、ちょっといいか?」
「え?」

この人、知ってる
自転車部の新開隼人くん

人気者で皆騒いでるから
この人が私に何の用なんだろう


「おめさんが好きだ。付き合ってくれないか?」

少し、驚いた
こんなモテる人がなんで?考えてもわからない
そしたら何でもいいやって面倒くさくなって

「うん、いいよ」

私が簡単に頷けば、彼は嬉しそうに笑うんだ

ごめんね。私の事を知ればキミはきっと嫌になるよ

すぐに別れを告げられるか、それともセフレになるか…
そうなるだろうと自嘲しつつ、とりあえず誰かがそばに居てくれたらそれでいいやと私はぼんやりと考えていた



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