万物流転 | ナノ
24.よきせぬ4
「ドラコのお父様に買って頂いたんだよ」とフリントは鼻息を荒くする。そしてまた別のスリザリンのやつが「旧型2000シリーズに対して、相当水をあけるはずさ」と言うので、僕はそいつを睨み付ける。

クイーンスイープ5号を握りしめる兄達をフリントは鼻で笑いながら「旧型クイーンスイープに対しては、圧勝だ!」と言った。グリフィンドールチームからは、一切の声が消えた。

マルフォイのやつは、ますます得意げにニターッと顔を歪ませる。僕はそのムカつく顔に一発お見舞いしてやりたかったけけど、隣りのハーマイオニーが拳を握って大きな声で「少なくとも!」と言ったんだ。

「グリフィンドールの優秀な代表チームの選手は、誰一人として
 お金で選ばれたりしないわ。…あなたのようにね、マルフォイ!
 こっちは、純粋に才能で選手になったのよ!」

ハーマイオニーの(マルフォイに対して特に敵意むき出しの)力強い言葉に、ハッとして勇猛果敢の心を取り戻したグリフィンドールチームは「そうだそうだ!」と皆口々に彼女に賛同し、今度は彼らを笑ってやった。マルフォイの自慢顔にピシリと亀裂が入り(ざまぁみやがれ!)一気に青白かった顔が沸騰したように真っ赤になった。

「誰もおまえの意見なんか求めてない グレンジャー!この…けがれ」
「はいはい。皆さんそこまでー!」

「「「!?」」」

マルフォイがこの世で一番最悪な侮辱の言葉を、今まさに述べようとした時に、まるでタイミングを見計らったかように僕達の間に黒髪の女子生徒が現れた。あっ!レイリ先輩だ!

何処から登場したかなんて、彼女の動きは早過ぎてきっと本物のシーカーであるハリーぐらいにしか見えてなかったと思う。この光景は、以前も目にしたことがある。ウーンと思い出せば、いつのことだかすぐ分かった!

「レイリ先輩!? どうしてここへ!」
「おはよう、ハーマイオニー。
 私はちょっと、先生から野暮用を頼まれてね?」

ウッドもフリントも、とにかく凄い驚いていて「どこから現れたッ!」なんて…まるで双子のように息ピッタリで叫ぶんだもの…。謹慎かなって思ったけど、僕は笑いそうになった。

隣りにいるハーマイオニーは、突然のレイリ先輩の登場で気付いていないみたいだけれど、フレッドとジョージが下を向いて肩を震わせているのがちらりと見えた時、僕は堪えていた笑いが出そうで口を押さえた。

20130813
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