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(九十九視点)

編入生がうざすぎて死にそうだ。総長は全然会いにこないし、編入生はうるせぇし…そのうえ、壽山もうざい。

しかし、それ以上に親衛隊の奴と、そのほかの奴らがうぜぇ。親衛隊長は会うたびに泣きじゃくって総長から離れろって言いやがる。ほかの隊員も同じようなもんだ。

「会長はあいつに騙されているんです!あいつが廊下で他の男にキスしているのを見ました!頬にですが!口説いてました!」

「そうですよ会長!」

と、いうようなやり取りが何度も繰り返される。うぜぇ。

そのうえ、俺の尻を狙う連中まで現れやがった。なんのつもりだ、くそ野郎ども…。

「(…あー、総長に会いてぇ)」

そう思うのは俺だけなのだろう。
総長は普通に食堂で飯を食ったり、廊下を歩いている。

もしかすると、俺は勘違いしているのではないか。総長は俺が好きなわけじゃない。ただ俺で遊ぶのが好きで、俺がいなくても大丈夫なんじゃないか。

考え出すと止まらない。

「あ、九十九さん」
「日和か…ソウさんは」
「えっと、あの、その…」

廊下で日和に会うと、どう考えても挙動不審だ。ちらちらと窓の外を見ていたため、外を見てみるとムキムキマッチョな男の腕をつかんでどこかに行こうとしている。

「!!!!」

最近、総長がそっけない理由が分かった気がする。

この間、総長の部屋に行ったとき俺は見てしまったのだ。ムキムキマッチョばかりが映った写真集やカレンダーを…。

てっきり参考にして筋トレをしているのかと思っていたが、違う。

総長はムキムキマッチョマンが好きなんだ。俺にも「もっと筋肉つけろ」と過去言っていた。そうに違いない。

「あの、九十九さん実は…」
「っ、仕事がある。戻る…」

俺はそれだけ言うと、来た道を戻った。
目からぼろぼろ涙がこぼれてくる。

俺に残された道は一つしかない。

「あ、会長おかえり〜…って、え!どうしたのその顔!泣いた?」
「っ会計。お前、レスリング部のやつと知り合いだったよな」
「え?うん。スポーツクラスだから運動部とはだいたい…」
「頼みがある」


あのマッチョ以上のマッチョになることだ。





「お前、何雄利ちゃんの尻狙ってんだコラァ。気付いてんだぞ俺は!人のもんに手出そうとしてんじゃえぇぞくそが。ムキムキマッチョ。殺すぞ。あ?????今度雄利ちゃんの尻をいやらしい目で見てたら目にコーラつっこんでつぶすから」

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