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(副会長視点)

最近、会長である九十九が荒れている。
理由は最近やってきた編入生と…彼の恋人(?)にあるようだ。

「…はぁ」
「……」
「……あー…」
「…なんですか、ため息ばかりついて」

苛々しながら訊ねると、九十九は泣きそうな顔でこちらを見た。
思わずぎょっとしてしまう。
こんなに弱った九十九を見るのは久しぶりだ。

「なんですか、情けない顔をして」
「お前に話してもな…」
「なんですか、とうとう掘られましたか」
「そういうこと言うな…それについては大丈夫っぽいんだよ」
「よかったですね」

蜂須総司。
彼はどうやら九十九に昔何かされたようで、報復に九十九の尻を狙っていたようなのだが、それは誤解だったらしい。
九十九のような男を襲いたいと思う人間――それだけでお近づきになりたくないにもかかわらず、あんな正確。
その上僕の事を女扱いする。

正直彼のことは好きになれない。
最近編入してきた宇宙人と同じくらいに近づきたくない相手だ。

「あの不潔なのの何がいいんでしょうかね?会計は」
「あいつは残念な趣味なんだ。残念な男が大好きなんだよ」
「…頭が痛い」

頭がずきずき痛む。
会計は最近、仕事を最低限するとすぐに飛び出して行ってしまう。

「あなたは、蜂須君の所に行かなくていいんですか」
「………」
「…九十九?」
「…避けられてる、なんか」
「避けられてる?それはまた、何故?」
「しらねぇし、理由知ったらへこみそうだし、どうでもいい…最悪だ」

九十九は割と本気で落ち込み始めた。
全く、なんて面倒な。

荻原は先程からソファですぴすぴ眠っているし。
仕事をちゃんと処理できるのは僕しかいない…なんて頭が痛い状況だ。

「いい加減にしてください。私情を持ち込まないでほしいですね!」
「何をぷりぷりと…生理か」
「僕は!!!!女では!!!ありませんが!!!!」
「天然砲炸裂だな」
「ふく…かい、うる…さい」
「荻原、早く起きて仕事しなさい。でないと君の頭をかち割りますよ」
「起きます」

いきなり流暢にしゃべった書記は席に着いて仕事を始めた。
そうだ、これでいいんだ。
僕がしっかりしなければ…会長がふ抜けた今!生徒会を回せるのは僕しかいない!!


「…あいつ、やる気だしてんな」
「…かわ、いぃ」
「は?荻原、お前…」
「ナイショ」
「……わかった…はぁ…くっそ、うぜえ…人の色恋沙汰うぜぇ…」


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