03
次の日。
「おはよー」
リビングに行くと、絵麻ちゃんの周りに兄弟たちが集まっていた。
絵麻ちゃんも馴染めてるのかな?
「絵麻ちゃん、」
「俺の隣の席おいでよー!」
「はい!」
つーちゃんの隣に座る絵麻ちゃん。
「そこ、私の席なのに!」
「まぁいいでしょ?これくらい。」
そう言ってつーちゃんの反対側に座る梓兄。
じゃあ私はその向かい側に座ろうかな。
「いただきまーす!」
京兄主婦になれるよ!ってくらい、京兄のご飯は美味しい。
「んー、美味しい!」
「そうですか。今日のは彼女も手伝ってくれたのですよ。」
「へぇー!」
「とても、料理が上手ですから。」
絵麻ちゃんが作ったのか!
じゃあ今度私も手伝おうかな。
「おはよう、燈ちゃん…」
後ろから声がして振り返ると、予想通りの人が。
「お兄ちゃんおはよう!」
…あれ?私、今日初の挨拶じゃない?
「髪…キレイ。」
「えっと…」
お兄ちゃん、絵麻ちゃん困ってるよ。
「八男にあたります、琉生です。琉生、いきなり髪に触るのはやめなさい。」
「ごめん、ね?」
「あ、いえ!ちょっと驚いただけです…。」
「琉生は美容師なんですよ。」
「そうなんですか!」
「今度、アレンジ、させて?」
「はい!ありがとうございます!」
そんなこんなで朝食が終わった。
つーちゃんと梓兄はずっと絵麻ちゃんに構ってた。
「じゃ、行ってきまーす!」
あ、侑君に無視された。
視線の先には絵麻ちゃんが。
「侑君、絵麻ちゃんと仲良くね。」
侑君の耳元で言ってみた。
「う、うるせーよ!そんなんじゃねーよ!!//」
侑君、分かりやすすぎ。
反応面白い!
「じゃーねー!」
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仕事が終わり、帰ってくる。
「ただいま!」
あ、また絵麻ちゃん構ってる。
帰ってきて誰にも抱きつかれないなんて久しぶりだ。
「あ、祈織君リビングで勉強してるの?珍しいね!」
「うん、でも騒がしくなってきたから部屋に戻ろうかな。」
「そっか。じゃあね!」
つーちゃんと梓兄とわーくんと絵麻ちゃんでゲームをしてる。
「私も入れて!」
「これ四人までしかできねーから、無理。」
「ごめんね。」
…即答。
しかも画面から目を逸らさずに。
あ、絵麻ちゃん強い。
圧勝じゃん!
あとリビングにいるのって…、
「りーちゃん、こっち来る?」
「いやだ!」
「ハハッ、傷つくなぁ。」
ホストの所になんか行くもんか!
今までどんな目に合わされてきたとおもってるの!?
もーいいや。
部屋に戻ってゆっくりしてよ。
…リビングにいても、楽しくない。
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