02
結局仕事を早く終えることなどできず、いつもと同じ時間に帰宅。
妹さんもう来てるよねー。
「ただいまー!」
「今帰ってきたのが、長女で上から9番目にあたる、燈です。燈、彼女が絵麻さんです。」
「よ、よろしくお願いします!」
「よろしくね、絵麻ちゃんでいい?」
「はい!」
可愛い子じゃん!
やったー!!
念願の妹…!
「何かあったら言ってね!何かなくても!」
「はい!」
「ねーねー、お兄ちゃんって呼んでみて!」
つーちゃんが割り込んでくる。
「えっと、、」
「だってさー、燈が琉生しかお兄ちゃんって呼ばないからさー」
「そうなんですか?」
「んー、小さい頃から一番近くにいて一番信頼してるからね!」
「琉生さん、早く会いたいです」
「多分明日の朝とかいると思うよ〜」
「だーかーら!代わりにお兄ちゃんって呼んで☆」
「っ、お兄ちゃん?」
「かーあいっ!!聞いた、梓?!」
「はいはい、それくらいにしなよ。」
「つーちゃん、絵麻ちゃんに変なことしないでよね。」
「それを言うなら要兄だろー!」
「あんのホスト!」
あれが坊主とか誰も信じないから。
煩悩の塊め!
「俺がどうしたの、りーちゃん?」
「げ」
「その反応は酷くない?」
「ソウデスネ、さようなら」
「まぁそう言わずに。りーちゃんも妹ちゃんも、俺のありがた〜い説法を聞きたくなったらいつでもおいで?」
「はい…?」
「誰が行くか!」
あぁ、やっぱりこのホストが一番危険だな。
さて、部屋に戻るか。
と思ってエレベーターの方向に向きを変える。
「姉ちゃん」
「あ!風君じゃん!おかえり〜っ!」
可愛い可愛い弟の風君!
本人には言ってないけど、実は風君の名付け親なんだ!
私もあんまり覚えてないけどね。
風君が生まれることが分かった時、名前何がいいか聞かれて、私がふうと!って言ったらしくてさ。
それをお母さんが気に入っちゃって、風斗にしたんだって。
なんかそれを知っても知らなくても風君大好きで!!
「ただいま。…うるさいんだけど」
「あ、風君も絵麻ちゃんに会いに来たんでしょ?!」
「わざわざ僕が会いに来るわけないでしょ」
つまりは会いたかった訳か。
「数時間後には北海道行くから」
「そっか。お仕事頑張ってね!」
「そう思うんなら静かにしてよ」
「ごめんごめん、おやすみ、風君」
「ん、おやすみ、姉ちゃん」
みんな、、特につーちゃんとか、風君は生意気だって言うけど、実はそこまででもないと思う。
ちゃんと素直さも持ってるし。
要するにお年頃な訳だ。
分からなくもないけどねー。
自分の部屋の鍵を開ける。
「燈、おやすみ」
「うんおやすみ、雅兄」
丁度部屋に入ろうとしていた雅兄に挨拶して、ベッドに潜り込んだ。
絶対近寄らせたくない!
「絵麻ちゃん、もう部屋行こっか」
なんかもう、ろくな事ない気がするんだ。
「あ、はい」
「あーいう兄達はほっとくってのも手だからね」
つーちゃんとホストを一瞥して言う。
あ、梓兄がつーちゃん持ってっちゃった。
「はい、これマンションの見取り図。私の部屋、上の階だけど、いつでもおいでね」
「ありがとうございます!」
一番端にある部屋に連れて行く。
「おやすみ、絵麻ちゃん!」
「はい、おやすみなさい!」
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