01
「おはよー!」
五階のリビングへ行くと、兄弟の半分くらいが集まっていた。
「燈ー、おはようのギュー!」
いつも通り来たつーちゃんをいつも通り避ける。
「つーちゃん、梓兄おはよ!」
「おはよう。」
「なんで避けるのー?!」
「嫌だから」
「燈が冷たい!!」
「椿、それくらいにしないと燈に嫌われるよ?」
もう引っ掴んでもなんでもいいから止めてよ、梓兄。
「ううー、燈も朝ごはん一緒に食べよー!」
「あ、ちょっと待っててね」
「ん?」
多分リビングのソファーにいると思うんだよね。
ほら予想通り。
「お兄ちゃん、起きよう?」
「…燈ちゃん?…朝?」
「うん、もう朝だよ。まだ寝るんだったら部屋に行こう?」
「朝ごはん…食べる。」
「一緒に食べよ!」
リビングのソファーで寝ていたのは、私のすぐ上の兄、琉生だ。
また仕事が遅くなったのか、ソファーで力尽きたようだ。
「琉生ばっかズリーぞー!」
「?」
「お兄ちゃんってーっ!昔は椿お兄ちゃんだったのにー!!」
「だってつーちゃんはつーちゃんでいいでしょ?」
「いいけど…、やっぱズリー!」
「椿、琉生も燈も困ってるから。」
梓兄の言葉で諦めたのか、四人で食卓につく。
「おはよう。」
「おはよーお姉ちゃん!」
「おはよ!」
雅兄とわーくんが既に席についていた。
「おはようございます。今日は四人とも仕事ですか?」
朝ごはんの支度をしながら京兄が言う。
「うん!」
「俺たちもだよなー、梓?」
「そうだよ。」
「…僕も。」
「今日は前に話した通り、私達の妹が来る日です。なるべく早く帰ってきて下さい。」
「はーい!」
さすが京兄!
朝ごはん美味しい!
「そういえば、わーくん!」
「なぁに?」
「お姉ちゃんだとかぶっちゃうからさ、呼び方、なんか変えない?」
「燈お姉ちゃんとか?」
「あ、いい!それでオッケー!ありがとね!わーくん大好き!」
「僕も燈お姉ちゃんだーい好き!」
なんて可愛い弟を持ったんだ私は…!
「さすが燈は気が利くね。」
私的には雅兄がぼんやりしてて心配だけどね!
「雅兄だって優しいじゃん!」
「そう言われると照れるなぁ。」
「あ、ゴメンもう時間だから行くね!ごちそうさまでした!」
どんな妹が来るのかな?
初めての女兄弟、仲良くなりたいなー!
なんて考えながら家を出る。
いつも通りの、日常。
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