補足

死亡もしくは戦闘不能になった王の写本メンバー情報まとめ

スキールニル...研究職に就いていた両親を理由なく神によって目の前で殺された。ただいつも通り夕食を両親と囲み、家族団欒の時間を過ごしていた時、二人は突然焼死したのである。その後、両親の同僚である研究者に遺体を回収され、家族の元には骨の一片すら戻ってはこなかった。異能力は《スキールニルの言葉》、大剣を出現させ、重力を無視した多方向からの剣戟が特徴である。また、今回の話では出なかったが馬を出現させるのも彼女の異能力である。此方は神殺しの育成のために異能力研究をされていた際、同じく対象だった少年の異能力が譲渡されたものである。異例の複数異能力所持者としてスキールニルは神殺しを成すため同じ境遇の者が集まる王の写本に参加する。彼女は自分の闇の深さに怯えていた。本当は誰かに止めて貰いたかったのかもしれない。

オーディン...スキールニルと同じく研究者であった両親と元神の世話係だった次兄を神によって殺害された。両親は薬物を摂取していないにも関わらず違法薬物の中毒死、次兄は無数の刺し傷と共に死亡した。遺体は回収されてしまった。長兄は番外編にて登場したセリカの教祖(裏事情)であるが、彼は神の力を崇める側となった事から、縁を切っている。オーディンの異能力《高き者の言葉》は人の潜在意識に上限三つの命令を植え付ける。異能力を受けた人間は殆ど無意識で彼の命令に従う尖兵となる。オーディンが意識を失う、もしくは死亡しても潜在意識に命令が残存するため、彼から解き放たれるには命令を完遂するしかない。其の脅威はサブリミナル効果に近く、彼の支配下にいる人間は世界中で1000を超える。夢主と同じ目を所持しているため、王の写本の活動の邪魔になる可能性がある組織の人間を選別し、主に異能力を使っている。彼は王の写本の扇動者ではあったが、統率者ではなかった。彼はただ神を殺すため、家族の仇を討つため、脇目も振らず前に進み続けただけだった。

ヴァフスルーズニル...彼に両親はいなかった。貧民街に捨てられていたのだという。しかし、研究者である女に拾われ、研究所で育った。彼の異能力《ヴァフスルーズニルの言葉》は三体の強力な巨人を生み出す。利用価値のある異能力として、研究者達は彼に優しくした。其の研究者達は悉く死んだ。惨たらしい死だった。其の後、ヴァフスルーズニルは神殺しとして異能研究された。其れによってスルーズゲルミル(力の叫びの巨人)物理攻撃に特化した巨人とアウルゲルミル(地の叫びの巨人)地を操る巨人に自我を奪われ好戦的になってしまった。逃亡に特化したベルゲルミルを使う時だけは自我が戻っている。彼には王の写本以外に居場所がなかった。故に王の写本に固執し、逃げるという手段で居場所を守ろうとした。

ヴォルヴァ...王の写本のトップ、神殺しを成すために仲間を集め、残虐非道な手段さえも躊躇なくやってのける。彼女の異能力《巫女の予言》は異能力研究の末に触れた者の未来を予見するだけでなく、其の未来に干渉し、時空に歪みを生じさせることで異能力の阻害、人間の寿命の操作などを行う。また、時空を歪ませる事象改変によって此の世に在らざるもの、異物を生み出すことがある。グルヴェイグ、ヨルムンガンドが其れである。但し、此の事象は奇跡に近い偶然であるため、宛にはできない。彼女は両親と祖父母を神によって殺された。更に神によって運命は壊れ、異能力研究による壮絶な苦痛によって精神が屈折している。(本編での出番が少しなので感じないかもしれないが。)

グルヴェイグ...不死身の少女。世界の異物。不死身として生まれたが欠陥があることが発見され、改造され完璧な存在となった。槍で貫かれ炎で三度焼かれ、それを何度繰り返しても死ぬことはない。彼女はごく最近生まれたため、人間らしいことができずにいた。特に友達という存在に強い憧れを持っていたため夢主や鏡花、モンゴメリが大切で堪らなかった。そうした人間性が生まれたことで完全性が崩れたのかもしれない。だが、彼女は戦わずにはいられなかった。彼女を作った存在が神を恨んでいたから。彼女の手駒として友と戦わざるを得なかったのだった。

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