※現パロ、高校生設定です




いきなりですが、私は恋をしています!
高校生を二年やっていて特に変わったことは何もなかったから、青春なんてしないものだと思っていたけれど。

ついこの間知り合った彼に、私は心を奪われてしまいました。
紹介してくれた竹谷くんには感謝の意を込めて、焼きそばパンを奢ろうと思います。
え?何、久々知くん。
竹谷くんに焼きそばパンはだめ…?
んー…わかった、じゃぁ今度違うものあげとくよ。

それでねっ、そう竹谷くんじゃなくてさ!
その人すっごい優しいんだよ、それに笑った顔がとっても可愛いくて…!
私が本の返却の仕方がわからなくて困ってたら「名字さん、僕がやっとくよ」って言ってくれたの。
私の名前知っててくれたとか、嬉しすぎて私死ぬかと思った。


「………もしかして、それ、雷蔵?」

『え!!』


私の話を興味なさそうに聞いていた同じクラスの久々知くんだったけど、不破くんをご存知のようだ…!
え、何それ、早く言ってくれればよかったのに!

久々知くんはキョトンとした顔で私を見た(今日初めて目があったよ)。
それにしても……さっきから私の机に豆腐の汁ボタボタ落とさないでくれないかな。
机、ビチョビチョなんだけど。


「そうか…じゃぁあれは名字のことだったんだ」

『え、何がですか?』

「いやこっちの話…でもそうかー、名字だったのか」

「何が何がー?俺にも教えてー!」

『あ、尾浜くん!ていうか、何っ久々知くんは不破くんとお友達?』

「うん、中学一緒。勘ちゃんも俺と同じだから雷蔵と友達」

「ん?雷蔵とは友達だよ?」


途中から入って来た尾浜くんも不破くんとお友達、だって…!
ええー…それならもっと早く不破くんのこと紹介してくれればよかったのに!

私はとびきり、とまではいかないけれど、久々知くんと尾浜くんとは仲がいい。その二人の友達の竹谷くんと仲良くなって、それから不破くんを紹介してもらえて…はぁぁ。
竹谷くんを媒介にする必要はなかったんじゃないのこれ。


「そっか!名前ちゃんかーなるほどね」

『いやだから何なのさっきからさー』

「気にしなくていいよっ」

「まぁでも、雷蔵はいいやつだ」

「ただねーちょっと…うん、」

「ちょっとな」


さっきから意味深な二人!
顔を見合わせて苦笑いしてるのが気になるのですが。

それにしても久々知くんも尾浜くんも!
恋する乙女の前で好きな人を悪く言うのは許せないよ!
「ちょっと」何なのか気になるけどっ、不破くんは私にとって大事な人なんだから!


『私の前で好きな人を悪く言うのはやめてよね!不破くんは素敵な人だよっ』

「あ」

「あ」

『あ…?』


後ろを振り返ったらガラガラガシャンって音がして扉が閉まる。
ん?
足の爪先から視線を上に上げれば、そこに居たのは、


『ふふ、ふ、不破くん…?!//』

「こんにちは名字さん」


なななななな、何で不破くんがいるの!!
え、そ、それよりも、今の会話聞こえてた?!


「うん、聞いちゃった」

『えええええ!』

「らいぞー、ひ、久しぶり!」

「今日はどうした…んだ?教科書借りに来たなら、か、貸すけど」



「うん、ごめん二人とも。ちょっと教室出てくれない?」



「「はい」」


二人とも光の速さのごとく急いで教室を出て行った。
いやちょっと!
私どうすればいいの…!
不破くんに私の気持ちバレちゃったんだよね、これ!


「名字さん、」

『はいいい!』


な、なんか…あれ?
不破くん、いつものあのほわほわした雰囲気はどこへ行ったんですか…!

黒い、なんか後ろ黒いなんか出てます!!










(さっきの話の続き、)
(聞かせてもらえないかな)



110503

……………………
アンケで雷蔵様が見たいとご意見を頂いたので、こちらで軽く連載させていただきます!