『私は学級委員長委員会委員長六年い組名字名前だ。…以後よろしく』




ぽかーん。


それが一番ふさわしい顔つきをしている彼ら。
もとい、私の後輩のようだ。

まあいきなり不在だと思われていた委員長が出てきたらこうなるものだろう。


致し方ないとは思いつつも、少し寂しい印象を持った。




いや、やっぱり何でもない。


寂しい、だなんて。
そんな感情とうに忘れたはずだ。




『急に現れて「はい、そうですか」と納得してくれとは言わない。ただ私という存在を知っておいて欲しかっただけ』




では、そう言って学園長先生の庵を出ようとした。

確かに委員会活動をここでするようにと収集されたわけだが、仲良くするつもりはない。


私は人との接し方がわからない人間なのだ。


例え学園長先生のおっしゃることでもそれは聞けなかった。
それに、あまり長居するときっとやつらにバレてしまう。




「ちょっと待ってくれ」


『っ! 鉢屋三郎。…何か用か?』




私の代わりを今まで引き受けてくれていた鉢屋三郎が、私の手を握った

久しぶりに体が触れ合い、瞬間ビクついてしまう。


離してくれ…!
お前も五年生、矢羽音で気付いているはずだ。




「だから仕事があんなに楽だったってわけか。予算も勝手に会議に提出されてたし、司会進行の原案も用意済み。やっと納得しましたよ名前先輩」




なれなれしいやつ。

にやにやしながらこちらを見ている鉢屋三郎は、まったく掴み所がわからない。


それなりに私も同じ委員会の人間のことは調べ済みだったが…

予想以上に厄介な人間らしい。
それにいつまで私の手を握っているのだこいつは。




「同じ委員会なわけだし、仲良くしましょう名字先輩っ」


「わああ!こんなかっこいい先輩が委員長だなんて!僕嬉しいです!」

「僕も!皆に自慢しちゃいます!」




他の尾浜勘右衛門、黒木庄左ヱ門、今福彦四郎まで私に近づいてきた。

くっ。
学級委員長委員会はこんなに仲良し委員会だったのか…?



…だから鉢屋三郎いい加減私の顔を見てにやにやするな!




「じゃぁいちよう自己紹介を。私は五年ろ組鉢屋三郎。三郎って呼んで、名前先ー輩っ」


『近寄るな鉢屋三郎』


「名字先輩って可愛い人ですね!俺は五年い組尾浜勘右衛門って言います。勘ちゃんでいいですよ!」


『…可愛くない。それに…尾浜勘右衛門で十分だ』


「僕は一年は組黒木庄左ヱ門です!僕も名前長いので庄ちゃんって呼んでください!」


『………黒木庄左ヱ門、でいいか』


「僕はアホのは組とは違って、優秀な一年い組今福彦四郎です』


『…………今福彦四郎だな』



何故こんな仲良くすること前提なのだろう。

その前に私に触らないでほしい。
今の私は四人に四方から囲まれ、一年たちは腰に引っ付き、五年の二人は手と肩を捕んでいる。



いつの間にか逃げられない状態になっていた。


このまま長居すると、本当にそろそろ危険だ。



『いい加減離…




「「「「名字名前ー!」」」」




どうやらもう遅かったらしい。







101231

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書いててすごく楽しいです