『おい勘右衛門、今から学級委員会やるぞ』


「え、うそー。今日だっけ?ごめんごめん、すっかり忘れてた!」




ったく。
勘右衛門のやつ大丈夫か?

今日は滅多にやらない学級委員長委員会の日だ。
学級委員長委員会と聞けば、やる仕事が多く、一見誰もが嫌がりそうな委員会なのだが。

実は委員会の中で一番楽だと私は思っていたりする。


実況係はある意味見てるだけでいいわけだし、委員会で集まる時は大抵学園長主催のお茶会。
そんなのほほんとした平和な委員会、それが学級委員長委員会だ。


そしてその委員長の代理をしているのがこの私、鉢屋三郎。



そんなわけで、
一応知ってるだろうとは思いつつ、同級生の尾浜勘右衛門を見に来てみたら。

やつは同じ組の連中と話していた。




「それにしても、俺ほんと学級委員長委員会でよかったと思うよ」


『確かに。雷蔵のいる図書ならともかく、ハチの生物、兵助の火薬は委員長代理大変そうだよな』


「そうそう。一番楽と言えば楽だよね。現に今からお茶会なわけだし」


『…勘右衛門よだれ』




今日もいつも通りのはずだった。

私たちが学園長の庵に来るまでは。



学園長の庵に行く途中、勘右衛門と同じように一年い組とは組に寄る。
もちろん、一年坊主の彦四郎と庄左ヱ門を拾うために。

あとは庵に行くだけ。




「鉢屋先輩、今日は何のお菓子なんですかね?」


「俺は羊羹だと思う!この前は饅頭だったからね」


『勘右衛門…お前すごいな。私はみたらし団子に一票』


「僕もみたらし団子だと思います」




そして私たちは学園長の庵にたどり着いた。
が、いつも委員会がある時、私たちを迎えるために開いている襖が閉まっている。


なんだ?

学園長先生はいらっしゃらないのか…?


一年たちは気付いていない。
勘右衛門はまだ学級委員長委員会に入ってまもないやつだ。

“学級委員長委員会のいつもの”に気付きはしないだろう。

気付いたのは私だけだった。




「どうした?三郎」


『…いや何でもない。中に入ろう』




さりげなく一番前に出て、勢いよくその襖を開けた。




『っ!!』
「ん…!」
「「え?」」




奥に人がいた。


流し目でこちらに視線を寄越したその人。否、忍たまの先輩らしい。

深緑の制服を身に纏い、長い黒髪を後ろで結っている。
前髪は綺麗に揃っていて清楚な印象を持った。


極めつけは、眼鏡…か?


というか、こんなに綺麗な先輩忍術学園に居ただろうか。




「初めまして」


『…初めまして。あの、貴方は何故ここに?』



後ろの三人が興味津々にその六年生の先輩を見ている。

無理はない。
綺麗なものは視界に入れときたいもんだ。


現に私も先輩から目を離せないでいる。

貴方は、一体…





「私は学級委員長委員会委員長六年い組名字名前だ。…以後よろしく」







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ついに男主連載スタート…!