暖かいです。
ぽかぽか、今日はいいお天気。

私はやることが無くなったので(午前中は字の勉強をしたんですよ)、日なたぼっこすることにしました。


こんなふうにゆっくり過ごすことができるのも、ハチや皆のおかげ。
ふふ、人間も悪いやつばかりじゃないのですよ母様。


私は今すごく幸せです。



「ここに居たんだ!」


『! ら、いぞー!』


「今日温かいもんね。 あ、もしかして起こしちゃった?」


『ん』



らいぞーが私に話し掛けて来ました
その際に頭を撫でられます。
これはもう五年生のお決まりなのでしょうか?

気持ちいいからもっとしてほしいのだけれど。


らいぞーとさぶろーは似ています。

正確にいえば外見だけなのですが、
皆は一見わからないけれど私にはわかるのです。
半妖だけど、鼻は効くのですよ!



「今暇かな?」


こくり、


「じゃぁ図書室行かない? 今日僕の当番だから中在家先輩いないし、本読んであげる」


『う、ん。 私、ご本好き…です』


「ふふ、行こっか」








――――――…









うわあ、すごいいっぱいご本があります!

分厚い本から薄い本、大きい本から小さい本。
見たことないぐらいご本がいっぱいあって驚きました。


でも、まだ全然読めない、です。


漢字、というのを教えてもらい始めたばかりなのでほとんどがわからない。



『! (何でしょう、これ)』



一冊。
茶色で丸い形の絵が書いてある本を見つけました。
ふわふわしてる。


ふふ、らいぞーの髪みたいです!




「ん、それはボーロっていう南蛮菓子だよ。 作り方が載ってる本。 食べてみたい?」


『…(食べ物)』


「? どうしたの?」


『これ、おいし?』




らいぞーにそう聞いたら、「うん、おいしい。 皆ボーロ好きだよ」と言いました。

皆、好き。


ハチもボーロ好きですか?




『ハチ、食べる。 幸せ…?』


「うん? きっとハチも幸せだよ」


『ハチ幸せ…私も、幸せ』



「! 作ってあげたいの?」




こくり、




このボーロ、ハチが好き。

なら作ってみたいです。
確かに漢字いっぱいだし、数字も難しいけれど…。


ハチの喜ぶ顔が見たい。



それでいっぱい頭撫でてもらって私も幸せ、です!




「うん、わかった。 じゃぁこの本貸すね。 君用の貸出カード作っとくよ」


『えへへ…らいぞーありがと、



大好き、です!』




「っ!!///」




その後らいぞーは私の頭を何回か撫でてくれました。
顔が赤いですけど、大丈夫なんでしょうか?


わからないとこがあったら僕に聞いてね、とらいぞーが言ってくれたので、私は嬉しくて抱き着きます。



私はらいぞーが大好きです!







(その言葉、ハチに言うべきだと思うけど)
(今は僕だけに言っててね)











101117

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前のページで居なかったので、
今回は雷蔵のターンです!