ほんっと最高!
私ってばツイてるー!!
気が付いたら私の今ハマってる忍たまの世界にトリップできちゃったの!
夢じゃないのよ、ほらっ頬引っ張っても痛くないんだから。

ここに来る前は私も普通の女子高生やっててさ!
いつも通り学校行ってたんだけど車に突っ込まれたみたいで、私一回死んだ、っていうのかな。
そう、うん、たぶん!

そしたらね、なんかかっこいいイケメンの人に会ったの。


「お前は死ぬべきではなかった、こちらのミスですまないな。元居た世界には帰れないが、行きたい世界へ送ってやろう」

『え!!じゃっじゃぁ忍たまの世界がいい!ねぇそこに送ってよ!』

「わかった。じゃぁ、」

『ぁ、待って。そしたら私天女さまなのよね…夢小説で見たわこの展開!忍たまたちが私に惚れる設定つけて!いいでしょ?』

「……注文が多い女だ。わかった」


私てきにはその人も好みだったんだけどね!
結果的にこうやって忍術学園に来れたし、皆も私のことだーい好きなの。
もちろん私も皆がだーい好きよ!


「姫香さん!」

『あ、六年生の皆!こんにちはー』

「今お暇ですか?私たちちょうどこの後時間空いてて、食堂でお茶でも」

「姫香さんも掃除なんてしなくていいのにっ手が汚れちゃうじゃないか!」

「おい留三郎、お前何姫香さんの手さりげなくとってんだ!」

「ああ?お前に触れられるよりかは全然いいだろ、この老け顔」

「なんだと!」


ほらね!
私皆に大切にされてるの。
ほんとはお掃除だってしてるふり。
こうやっていい子アピールしとけば、皆私を労ってくれるもの!

もちろんほとんど小松田にやらせてるわ。
ふふっ皆気付かないもんね。


「姫香さんの隣は私だ!」

「…もそもそ」

「長次!お前ちゃっかり隣座りやがって!…仙蔵も」

「本当に貴女は美しいお方だ。私を虜にして止まないな」

『ふふっ、仙蔵くんてば』

「何口説いてんだ!」


楽しい、最高!
こうして皆に大事にされて、私ほんと天女さまになったんだわ!
皆みーんな私を好きなのよ!
下級生の子達だって私を「姫香おねーさん」って慕ってくれるんだから。

でも私はね、こんな毎日も素敵だけど、本当は私だけの王子様を見つけに来たの!
可愛くて、でもかっこよくもあって、優しい優しい王子様。
ちょっと気になってる子がいるんだ〜。


『ねぇ皆、名字名前くんって知ってる?』

「名前、ですか?」

「名前はすごいいいやつだぞ!優しいし、可愛いよな」

「伊作のとこの後輩だろ」

「え?…ぁ、うん。すごくいい子だよ?」


ほら!やっぱり私の目に間違いない!

あの子初めて見た時からすごい可愛いなって思ってたのよ!
くりくりした目で、笑った顔が天使みたいでね!
でも私を護るって言ってくれた時の顔はすっごくかっこよくて…!
初めて見た子だからモブなんだろうけど、そんなの関係ないわ!

ああ、名前くんに会いたい!


『あっ、雷蔵くんに三郎くん!こんにちは!』

「!!こ、こんにちは」

「………」


食堂で皆と話してたら五年生の雷蔵くんと三郎くんが入って来た。
授業終わりなのかな?
服が汚れてるみたいだけど。

…あれ、三郎くん?


「三郎っ」

「………ちは」

「おい鉢屋、姫香さんに失礼だぞ」

「、雷蔵、やっぱ帰らないか?」

「……そうだね、すみません、失礼します」

「あ、オイお前ら!」


前々から気付いてたけど、どうやら私は五年生たちに好かれてないみたい。
何で…?
何で五年生は私のこと好きになってくれないのかしら!

でもまぁ私の王子様候補は決まってるし、六年生も皆私のこと好きだからいっか!



(あぁ私の王子様、)
(早く迎えに来てくれないかしら)








110317

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書いてて楽しいです!