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報われない恋


涙が、止まらない。
その理由は君がいないから。



「ただいま」



返ってくる事ない返事。 
分かっていても、掛けずにはいられない言葉。

もう、この空間には君がいない。



「名無しさん…」



目を閉じて君を思い出す。



【ね、名無しさん】

【なぁに、ヤマト】

【ん、特に何もないけど…ただ君の笑顔が見たくて】

【私は常に笑ってるつもりだけど?】



そう、君はいつも笑っていた。その笑顔にどれだけ救われたか。
あぁ、違うね…笑った顔しか、知らなかったんだ。それも、上部だけの。心は常に泣いていただろう。

ボクは君に甘えてばっかりで。
だから君はボクに甘えるどころか、本当の心の内さえ見せれなくて。



「っ…」



涙が溢れる。
 

ボクは彼女に振られた。


任務任務で、彼女との時間もそう取れなくて。
それなのにボクばかり君を求めて、甘えて…



「寂しかったんだよね…きっと」



ごめんよ、名無しさん。

ボクは君がいなくなって始めてその事に気付いた。なんて不様な男なんだろう。


だから願わくば…



「これからの人生、笑って過ごして欲しい」



その為ならボクは命だって、懸ける。


例え、二度と報われない恋だとしても。
それが、ボクに出来るせめてもの償い。



fin
20150518




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