んなこと言われても9


▼呼び出し2



朝の呼び出しは結局オレだったらしい。

「み、みう…いや加山圭吾、至急生徒会室に来い」

放課後のSHでそんな放送が入ったのでオレは今生徒会室に座っている。
ちなみにその放送は生徒会長の声だったらしい。北島情報。
さらにちなみに会長の名前は三浦というらしい。北島トリビア。

「加山圭吾、今回あなたを呼び出したのは他でもありません」

そして今オレに話し掛けてるのは目の前で腕組みしてる副会長。加山トリビア。

「厳正なる、いいですか厳正なる抽選の結果ですよ?来月の体育祭であなたには生徒会とペアを組んで頂く事になりました。」
「はぁ」
「という訳で私たちと二人三脚をやって頂きます。よろしいですね?」
「いや、よく分かんないんすけど」

色々はしょりすぎな話に手を上げると、これ見よがしにため息をつく副会長。
びっくりするほどこれ見よがしだな副会長。

「一を言って一を理解する事も出来ないんですかあなたは。いいですか?私たちは体育祭で二人三脚に出ることになりました」
「四人ともですか」
「えぇ、そう言っているでしょう」
「みんな頑張って勝ち取ったんだからぁー」

副会長に補足を入れるチャラ男会計。
みんなそんなやりたいのか二人三脚。

「ははははぁっ?ふざけんなよ誰があんな面倒くさいもん好き好んで…!」
「余ったから仕方なくですよ!」

即座に否定するオレ様会長と腹黒副会長。
やりたかった訳じゃないらしい。

「で、なんでオレがペア?クラス違うじゃないですか」
「知らないんですか?今回の二人三脚はクラス関係なくペアを組むことになったんです。クラスなんて小さい事を気にせずに敵同士協力する事こそが豊かな心を育むんですよあなたのような凡人には分からないかもしれませんが。そこで厳正なる、いいですか厳正なる抽選の結果、ここにいる四人はあなたと組むことになったんです」
「はぁ、あ、この羊羹美味いですね」

ツッコミ所満載な話を適当に流しながらお茶請けを食べてたら、なんか副会長がイラッとした。すんませんなんか面倒くさくて。
そして寡黙書記がなんか微笑んだ。なんだなんだ。

あとで知ったけど寡黙書記は和菓子屋をやっているらしい。北島トリビア。
あの羊羹もきっと書記のだったんだろうな。ごちそうさまです。

「ってかオレ二人三脚じゃないんですけど」
「今回の事で二人三脚に希望が殺到して混乱を招いてしまうといけないので、競技に関係なく全校生徒で抽選するという事にしたんです」
「むちゃくちゃですね」

巻き込まれた方は面倒くさい事この上ないぞ。オレとか。

「でもオレ無理ですよ。担任のホストにお願いされたんで。体育祭の雑用係」
「はっ?」

正確には宿題忘れたからその罰だったんだけど。
他にも宿題忘れたやついたのにオレにだけ嫌がらせしてきたんだけど。
ほんと誰だあんなのに教育免許取らせたの。

「だからオレ自分の競技以外は雑用しなきゃいけないんで。厳正なる抽選はもう一度やり直してください」

じゃ失礼しますと言って生徒会室を後にしようとしたら副会長に呼び止められた。
もうそろそろ面倒くさい帰って寝たい。
もしくはアフロと戯れたい。

「あなたは何の競技に出るんですか」
「オレですか?障害物リレーですけど」

じゃ、と言って今度こそ生徒会室を後にした。
出て行く時に女装がどうとかローションがどうとか白熱してたけど副会長たちどうした。


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