んなこと言われても7


▼歓迎会2



という訳で放課後の歓迎会。
普段は味気ない体育館がすごい事になってた。
キラキラ。シャンデリアとかキラキラ。
料理もキラキラ。最高。

どうやら生徒会の人たちはイメージ通り仕事に追われているらしい。絡まれない最高。
飯もうまい最高。歓迎会最高。

でも一回だけ寡黙書記に絡まれた。
受付で名前を記入した時、受付に座っていた寡黙書記に加山圭吾の「加山」を消されて「杉浦」に書き替えられた。無言で。
オレはとりあえず「杉浦」を消して「加山」と書き直した。無言で。
そのまま会場に足を向けた目の端に、また寡黙書記が手を動かしているのが見えた。
きりがないから放っておいた。

後で北島に聞いたら寡黙書記の名字は「杉浦」というらしい。
宮沢はそれを聞いてなんか赤くなってた。えぇえええって手をワサワサしてた。お前それ好きな。
それを真似して北島とオレもワサワサした。オレらも好きな。



そして今は会長とか先生とかの挨拶をガン無視して飯を食べてる。
というかスピーチの時に宮沢に物影に追いやられた。
そんな会長警戒しなくても。
プライベートの時に見つかったら面倒くさいけど仕事はちゃんとしてるらしいぜあの人たち。いや人に聞いた話だから実際はよく知らないけど。
寡黙書記はちょっと絡んで来たけど。

「宮沢、あんま食ってなくね?」
「食べないとオレみたいにおっきくなれないぞー」
「お前はデカすぎだけどな」

何だか始終オレの周りをそわそわして落ち着かない宮沢に、北島がミートボールを差し出す。
だからアーンとかそういうトキメキイベントは女の子とやれよ。

案の定宮沢はアフロをふるふる揺らして断った。ちょっと撫でたい気分になった。ふるふる。

宮沢に断られた北島はしょげた体でオレにミートボールの刺さったフォークを渡してきた。

「オレじゃ役不足だった…圭吾代わりにアーンしてやってくれ…」

その泣き真似ウザいな。
と思っていると宮沢が照れた。何故か照れた。

「いやっ、加山にそんなっ」

何か面白いから宮沢にミートボールを差し出してみた。
すると宮沢が更に照れる。ワサワサ動く。
アフロも手もワサワサ動く。
どうしよう何か面白いぞ宮沢。

「宮沢、ほらアーンして」

調子に乗ってアーンとか言ってみた。
宮沢がアフロの下で真っ赤になったからまぁ言った甲斐はあったかもしれない。さては純情ボーイだな宮沢。

するとフォークを持ったオレの手が横から引かれて宮沢用ミートボールを食べられてしまった。

北島だと思ってそっちを見ると、なんか髪を撫で付けたかっこいいスーツのオッサンがいた。
誰。

オッサンはオレの手を掴んだままミートボールを咀嚼して、フォークをねぶる様にくわえてみせた。

「ごちそうさま」

そう不敵に笑うオッサン。
このフォーク北島のだから北島と間接ちゅーだな。
むしろあのエロいくわえ方だと気分的に間接ベロちゅーだな。
どちらにとは言わないけどご愁傷様です。



その後真っ赤な顔で慌てふためいた宮沢がそのオッサンを引っ張ってどこかに行ってしまった。
積極的だな宮沢。

どうやらあのオッサンは理事長らしい。
北島情報。

なんか宮沢と知り合いっぽかったけど何だったんだろうなーと話ながらのんびりタダ飯を堪能した。

北島はタッパにご飯詰めてた。
お前それいつもどっから出してんだオレにも明日食わせるがいい。


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