桃太郎


▼桃太郎<犬篇>



リクエスト頂いた桃太郎です。
リクありがとうございました!





「なんか鬼がちょう宝持ってんだって。お前ちょっと行って奪って来いよ」

桃太郎は面倒くさいなぁと思いつつも鬼ヶ島を目指しました。



その途中で野良犬に遭遇。
目付きが悪くてガラが悪くて一言で言うと不良です。

「桃太郎さん!鬼ツブしに行くんですって?!なんでオレに言ってくれないんすか!」

その不良が凄い形相で近づいて来ました。
怖っ!

「だ、誰だっけ?」
「犬っす!酷いっす桃太郎さん!でもそんな所も渋いっす!」

いい忘れていましたが桃太郎は割りとタッパがあって目付きが悪くて“不良に間違われがち”さんでした。
よく絡まれるので仕方なく護身術を学んで、その辺の猛者共を適当にあしらって逃げ続けていたので、「奴が本気出したらヤベぇ!」とこの界隈ではちょっとした有名人なのです。

「桃太郎さん!オレも連れてってください!」

深々と頭を下げる犬に、桃太郎は戸惑いました。
確かに見た目強そうなので仲間にしたら心強そうですがそれ以前に一緒にいたくありません。だって怖いです。隙を見て殴られそうです。痛いのは嫌です。

「…気持ちだけ受け取っとく」

桃太郎の呟きにバッと上げた犬の顔は、まるで捨てられた子犬のようでした。
犬は桃太郎より背が低い上に今は若干屈んでいるので必然的に上目遣いです。その顔は狡いんじゃないかな。
桃太郎はうぅんと困り果てて、はぁ、とため息をつきました。

「…なんもしない?」

首を傾げて尋ねると、犬は真っ赤になって「なんかしちゃいそうです…」と呟きました。

何かするかも、という言葉に一瞬ビクついた桃太郎。
しかしその割に敵意を感じないので、桃太郎は怪訝な顔でさらに首を傾げました。

しかし犬はお構い無しで何故かテンションを上げています。

「っていうかシていいっすか!今のあれっすよねフラグっすよね!そういうフラグっていうかむしろお誘いっすよね!」

桃太郎の腕を掴んで捲し立てる犬に、なに一人で盛り上がってんの怖っ!不良怖っ!と引きまくりの桃太郎。
フラグや誘い云々を鬼ヶ島に連れて行くことだと理解したのでとりあえず頷いておきました。

すると何故かテンション最高潮の犬に林に連れ込まれて「ここに来てまさかのサンドバッグ?!」と思っている間にあれよあれよとズボンを下ろされ木にすがり付きながら立ちバックで犯されてしまいました。

「あぁ、まさか桃太郎さんから誘って貰えるなんて!オレもう嬉しすぎて死にそうっす!」

ジュプッジュプッ

「じゃ、もっ死っ、あっもっ」
「すんません嬉しすぎて今たぶん殺されても死なないっす!」

ジュッポジュッポ

「どっ、ち、あっあっ」
「こんな気持ちぃの知ったら死ねません!桃太郎さんの中最高っす!絡み付いてるっす!」

ズパンッズパンッ

「あっやっ言わなっ」
「桃太郎さん可愛すぎっす…っ!あっ出ます!」

ビュルルッ!

「んあっ!あぁ、ん…っ!」



その後ご立腹な桃太郎に犬は土下座して謝りました。
腹の虫がおさまらない桃太郎でしたが、例の捨てられた子犬の表情を出されたら折れるしかありません。
コイツ分かっててやってんじゃねぇの、と訝しみながらも、桃太郎は犬をお供に付けました。

「あっ桃太郎さん!あそこにおあつらえ向きな茂みが」
「犬!お座り!待て!お預け!」
「はいっす!」



彼らの旅はまだまだ続きます。たぶん。



犬篇FIN


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