友恋-2-




キャンプと言うからにはカレーでもするのかと思っていたけど、どうやらバーベキューをするらしい。
少しでも手伝おうと思い火のそばにいくと、ミヤくんがささっと風上に誘導してくれた。

「こっちの方が煙たないじゃろ?」
「あ、でもそれじゃミヤくんが風下に……。」
「ええんじゃ、ワシは慣れとるけぇ。」

そう言ってミヤくんはお肉の乗ったお皿と割り箸を渡してくれた。
あまり女の子扱いされたことのない私はどう反応していいかわからない。
それでもミヤくんはにこにこと笑ってくれる。
それがとても嬉しくて、つい色々と甘えてしまった。

「ミヤくん優しいからモテるでしょー?」
「そがなことないのぉ、彼女もおらんし。」
「えー、意外だなぁ。」
「ほんまよー、金城みたいにイケメンでもないけぇ。」

そういえば、金城くんはチカのことどう思ってるんだろう。
チカの気持ちは周りから見て明らかだ。
ケラケラと笑い飛ばすミヤくんに、私はこっそり耳打ちした。

「ねぇ、金城くんて好きな子いるの?」
「気になる子はおるらしいがのぅ。」
「そ、そうなんだ……。」
「雛美ちゃんも金城狙いか?」
「ううん、私じゃなくてチカが……。」

そこまで言うと、ミヤくんは大きな声で笑い始めた。
私が慌ててミヤくんを抑えると、チカたちと目が合った。
いつの間にか合流していた荒北くんは、とても不機嫌そうにこちらを見ている。
それにビクビクしながらも、私はミヤくんにまた耳打ちした。

「ミヤくん!声おっきいよ!」
「すまんのぅ、おもしろーてつい。」
「なんで笑ったの?」
「金城が気にしとるん、チカちゃんじゃけぇ。」
「えっ。」

エッエッと笑いながらミヤくんは二人を指差した。
頬を染めながら話すチカに、金城くんは優しい目つきで相槌を打っている。
あぁ、そうだったんだ。
私はホッと胸をなでおろした。
あの二人が上手く行くなら、来たかいがあったというものだ。
どうにかして二人っきりにしてあげたいな。
チカと金城くんの近くには荒北くんがいて、チラリと視線を移すと目が合ってしまった。
ギロリと睨みつけるようなその目に、私はビクリと体を震わせた。

「どうしたんじゃ?」
「う、ううん。なんでも。そういえばさ、荒北くんっていつもあんな感じなの?」
「何がじゃ?」
「何かこう、不機嫌そうっていうか目つき悪いっていうか?」

私の言葉にミヤくんはエッエッと笑いながら理由を説明してくれた。
荒北くんは来たくて来たわけではないらしい。
金城くんとミヤくんの誘いで渋々来ることにしたそうだ。

「チカちゃんが来る言うたら渋々来たんじゃ。」
「あれ、じゃぁ荒北くんもチカ狙い?」
「いや、荒北の好きな子は違う子らしいけどのぉ。」

チカと金城くんを応援するためにきたということだろうか。
それにしては終始不機嫌そうで、何を考えているのかわからない。
もしかして私が嫌われているだけなんだろうか。
ちらりと荒北くんを見ると、やはり鋭い目つきで私を睨みつけているように見える。
なんだかなぁ。
理由もわからないまま睨まれるのも嫌だけど、チカたちの雰囲気を壊したくなくて私は見なかったふりをした。



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