バージル夢(インフルエンス)の結局没になったクールな大人主人公をやっぱり書きたくなっただけに書いたなんてことない会話文です。山なし落ちなし。
主人公=青年。
「バージル、ダンテを知らないか?今日は街に連れてってくれるって約束をしてたんだが..見当たらないんだ」
「ダンテなら、さっきキャットと外に行ったぞ」
「え、あ...そっか、またあいつ忘れてんだな。あーあ、今日は久しぶりに外に出れると思ったのに..仕方ない、今日はまた部屋で大人しくしてるとするか...あ、邪魔して悪かったな。ありがと、バージル」
バージルの部屋にノックをして、名前を呼びかけると、すぐに扉が開かれ、ラフな格好のバージルが出てきた。
扉を開けたと同時に、バージルは目の前に居た青年に「どうかしたか?」と問いかける。
すると、困ったような表情を浮かべ「ダンテを見てないか?」と首を傾げ、返ってきた言葉にバージルの顔を見ては青年は眉をひそめた。
話しをきけば、どうやら、青年は昨日ダンテと街に出掛ける約束をしていたらしい。いや、約束というよりは頼んでいたといったほうが正しいだろう。
指名手配をされているような状況の今、一人で外に出掛けるなんて自殺行為にしかならない。
だから、仕方なく近寄りのダンテに約束をとりつけたのだ。
成り行きとはいえ彼らと出会ってから、ずっと建物の中にこもりっきり。何をするわけでもなく長い間室内にいると言うのはとても暇で、気が滅入ってしまう..いずれ、買い出しにだっていかなければならなかったであろうし、ちょうどいいと思って気分転換がてらにちょっと出掛けてみたくなったのだ。
そもそも、こんな状況じゃなければわざわざダンテに頼んでまで街に行きたいなんて言わない。
「...ちょっと待て」
「は..?」
聞かされた事実に、残念そうに青年はうな垂れると、渋々ながらにお礼を言ってから、バージルの部屋を後にしようとしたが、
その瞬間、不意に腕をぐいっと後ろに引っ張られた。
重力には逆らえず、不意の出来事にバランスが取れなくなって、青年は大きく身体を傾かせる。
腕を掴んだ主、バージルはそんな青年の身体を支えながら、そのまま近くまで引き寄せた。
必然的に密着状態になる二人。青年はわけも分からず眉を軽く寄せた。
「あー、なんだ..?」
「街に行きたいんだろう?なら、今から俺と行かないか?」
「バージルと?でも、それは悪いだろ。アンタにはやるコトがあるんじゃ..」
「悪い?何がだ?俺もいずれ行かなければと思っていたからな、ついでだよ。それとも、お前はどうしてもダンテと行きたいっていうのか?」
「いや、別に、そういうわけじゃないが...そうだな、バージルがそういうなら..じゃ、お言葉に甘えるとしようかな」
肯定の返事を返せば、優しく微笑みながら、支度をしてくる。と、言ってバージルは部屋の中に入って行った。
それを見送って、青年は扉の前でそのまま待つことにする。
数分後、いつもの青いコートに黒いハットを被ったバージルが中から出てきた。
青年と顔を見合わせると、お前は支度は出来ているのか?とバージルは問いかけ、青年はそれに返事を返す。
それを確認すると、バージルは先行するように青年の前を歩いてアジトの外に出て行った。
「まさか、バージルが連れてってくれるなんて夢にも思わなかったよ」
「..お前の中では、俺はそんなに余裕のない男としてインプットされているのか?普通に、暇なときくらい多少はあるさ」
「いや、なんていうか..俺と出掛けてくれるなんて、という意味でさ」
「別に、お前を嫌っているわけでもないんだ。暇なら付き合ってやるくらいしてやるさ。そもそも、何故毎回約束を破る男に頼んでいるんだ?他のヤツを頼ればいいのに」
「いや、だって、この中で暇そうなのってダンテくらい..じゃないか?バージルは色々忙しいだろうし、皆もなんだか何かしらやってるしさ、邪魔しちゃ悪いかと思って..」
「確かに、ダメな時はあるかもしれないが、俺だっていつも作業をしているわけじゃない。さっきも言ったが、暇なら付き合ってやるさ。常に邪魔とは思わない」
「でも.........そっか。なんだか気張り過ぎてたかもな..じゃあ、これからはバージルにも声をかけて見ることにするよ」
「ああ、まあ断ることももちろんあるだろうがな」
「それは承知の上さ。しっかし..なんか、なんとなく暇でんでんより、ただ単にダンテとの方が楽なんだと感じてたのかもな、俺。別にバージルが苦手ってわけじゃないけど、つい遠慮しちゃうんだよな」
「遠慮か....まあ、俺としては、もっとお前と関わりたいと思ってるんだがな」
「は..?」
「...なんでもない。単なる独り言だ」
「あー...そっか......」
「...............」
「...............」
それからはなんだか気まずい雰囲気になって、青年はただバージルの隣を歩くことしか出来なかった。
やっぱり、なんだか遠慮してしまう。
結局、帰るまで、彼らはその後あまり話しをしなかった。
はい、
オチなしイミなし。
没主人公ですが、設定としては、ダンテが嫌いなのは変わらないけど、バージルとそこまで深く関わろうとしないとこが今の主人公とは違う点なのかな?
うーむ。でもこんなキャラも良いね、書いてて楽しい。そもそも私はクールなキャラが好きなので、むしろこっちの方が楽しいですね(え
バージルが好きだからなんか恥ずかしくて遠慮してしまうとか。バージルはバージルでそんな主人公にいい子ダナーと好感を持ってたり、みたいな話しになった。
エンディング考えるまでは、ってか最初は子供っぽい主人公にする予定はなかったんだよね(´・ω・`)
ストーリー思いつかなかったからアアなったんだけど。
13/04/28 23:41