ぶちゅ、と音がする。
ぬち、ぬち、と粘着いた音も。
腕の隙間から覗けば、監督が自分の手のひらにローションを垂らして温めていた。
そのぬかるんだ指でペニスを包み込まれ、春樹は背中を反らして大きく震えた。


「あ…っ、…ひぁ、…ぁ…あーっ」

「気持ち良いかい…? ふふ…私の手でオナニーするみたいに腰が揺れちゃってるよ…」

「あぅ…ッ、あ…あー…、いやだ…とまんな、い…っ! やだぁ…っ、あぁっあっ! いく、いく、あー…でちゃう…っ!」


大きな波に飲み込まれそうになった瞬間、下肢に強い違和感が襲った。
ぬめりを伴ったそれがぐにぐにと“内側”に押し入れられ、春樹は訳も分からず目を見開いた。

( なに、なに、待って…、お尻の…中に…、――え? )

お尻の中を触られてる…?

男は春樹が正気付く前にと、震えるペニスを咥え込み、ジュルジュルと舌を絡めてしゃぶりついた。
混乱のまま強烈な快感を与えられてしまった春樹は、無防備に湿った甘い声をあげ、とろけた腰を突きだした。
そのせいで後孔の中の指がずり動いてしまったが、春樹の興奮は止まらなかった。


「あ、あっ、だめ…っ、いく、あっ、あっ、イく、イく…っ!」


気付けば春樹は男の頭を両手で掴み、尻を浮かせ、――射精していた。
監督の咥内に吐き出す。
唾液と精液を掻き混ぜ、男は飲み込んだ。春樹の身体がゆっくり弛緩する。…だが、もちろん、それだけで終わらない。
春樹の欲液を舌に絡めながら啜り、後孔に含ませた指を動かして、男は処女地を拓かせていく。


「ふ…っあぁ…あー…っ、ん…、はぁっ、待って…だめ…監督っ、それ…やだぁ…ッ」


達したばかりで快感に敏感になっている身体は、胎内で蠢くゾワゾワとした違和感を、気持ちの良いものとして代えてしまったようだ。
春樹は知らないが、男が用意したローションにも催淫剤が含まれていて、感覚を後押ししてくる。柔らかな粘膜は直ぐに反応してしまい、もう、止まれない。

( うそ…うそ…、おしり、気持ちいい…、気持ちいい… )

探し出されたしこりを執拗に責め立てられ、春樹は爪先でシーツを噛み、腰を浮かしてガクガクと激しく乱れた。
泣き声を上げて頭を振る。


「っああ…!! あっ、ひ、あぁーーッ、やだぁっ、グリグリ、しないで…ッ、知らな…こんなの知らない…っ」

「っはぁ…、ああっ、可愛いよ…春樹っ! こうしてお前を犯したかったんだ…っ、はぁ、夢のようだ…たまらない…っ」


気付けば指が増えていた。
バチュ、バチュ、と派手な音を立てて後孔を愛撫され、春樹から完全に抵抗する力を剥ぎ取ってしまう。
思考も混乱と快楽とでトロトロにふやけ、騙されてこんな目に遭っている事さえ、今は思い出せない。


「春樹、ほら、良いだろう…? お尻グチュグチュされるの気持ちいいよね…?」

「あっあっ、ん…いい…っ、あ、や…っ、あぁ…っ、やだ…ヤダァ…っ、いい、いいっ、気持ちいー…っ」

「ハァ…っ、ハァッ、ああ――っくそ、もう限界だ…!」


勢い良く指を引き抜くと、男は乱暴に衣服を脱ぎ捨てて裸になる。
引き締まった体躯のその中心で、ガチガチに隆起してそそり立ち、凶悪的な剛直は先端から汁を垂らしていた。
体躯に見合った大きさのそれは、同性の春樹から見ても規格外な姿をしている。


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