「――ひぁ…っ!」


気を抜いて脱力していた姫子は、眠る振りも忘れ、目を開いてビクリと震えた。
涙で濡れた睫が重たい。
直ぐ近くで男と目が合う。


「今時の子は本当に節操がないんだな。こんな田舎でもビッチがいるんだもんなぁ…」

「ち、が…っあ…、違います…」

「びちょびちょにマンコ濡らしておいて、違うって?」


車両内には姫子と男の二人しかいなかった。
煌々と車内を照らす明るい照明の下で、公共の乗り物の中で、不埒な行為をしている。
自分の悪癖を棚にあげて、姫子はあまりの非日常さに震えた。

(どうしよう、や…やだ…こんなの、どうしたら…っ)

困惑して拒もうとしても、体に感じる官能が姫子を裏切る。
芽生えたばかりの腟内での快感、そして腟内イキはあまりに強すぎて、否が応でも陥落してしまう。

ジュポ、ジュポ、ジュポッ
グリ、グリ、ぐちゅぐちゅ…っ

擦れて泡立った愛液の音がひどい。
いやらしくて恥ずかしくて、姫子は髪を乱して頭を振った。


「んっ、ん、は…っ、あ、あ、あ」


姫子の尻がシートから浮いて、くねるように悶えた。
堪えようとも出来ない快感の高まり。
ローファーの爪先が突っ張るように立ち、ガクガクと震える。


「っ、―――…あ…っ!」


立て続けに追い詰められた絶頂に、姫子は甲高い悲鳴を上げた。
下半身の震えがおさまらない。
恥ずかしくて、嫌なのに、勝手にお尻が揺れてしまっている。
擦られた粘膜がじりじりと熱をもって蕩けたままだ。

ぬちゅ…っ

愛液でふやけた指が、ゆっくりと抜かれていった。
その指が剥き出たクリトリスを擦り、姫子の体が痙攣する。
快感が止まらない。鎮まらない。
親指でクリトリスを弄くられる。


「あ、あ、ら…め…、やっ、あっ…だめ、だめ…っ!」

「自分からマンコ擦り付けて何言ってるんだか…。ほら、気持ちいいーってイクとこ、見てやるよ」


再び差し込まれた指が、恥骨の裏側をノックしてくる。
姫子は両手で男の腕や手首を掴み、抵抗を試みるが力が入らない。
そんなの知らない。
そんなところが気持ちいいなんて…。
泡立った愛液がバチュバチュと大きな音を鳴らして、シートに飛び散り、男の手首まで垂れていった。

(なに、や…っあっ、あ、お、おしっこ出ちゃう…っ)

尿道が熱い。
シートから完全に尻と腰が浮き、背もたれを上半身がずり落ちていく。
排尿感を堪えようにも、ぐずぐずにとけた体は我慢もなにも出来なかった。

――プシャァ……ッ

透明な飛沫が舞う。
電車の床へ落ち、濡らしていく。


「っは、ッ、はぁーっ、はぁーっ、ひゅ、ハァー…っ」


全力疾走したように心臓がバクバクと脈打って、呼吸がひきつったように荒くなる。
足が震えて腰が跳ね、開きっぱなしの口から涎が出ていった。


「若いのに派手に潮吹きするんだな。見た目に反してとんだヤリマンなんだろ?」


違う、違う、こんなの初めてだ。
姫子は処女で、男というものを何も知らない。
耳に届いたそれに反論することも出来ず、強烈な快楽から戻ってこれない。


「ビッチの欲しいものくれてやるから、ここで降りるぞ」


姫子の最寄駅である終点まであと2つというところで、手を引かれて電車を降りた。
他に降車する利用客もいない。
壊れかけた照明のせいで薄暗いホームが、たった2人の利用客を飲み込んだ。
駅員はいなかった。
夕方の時刻が過ぎれば窓口は閉められ、小さな駅舎内は無人になる。
姫子の最寄駅は終点だからこそ、始発から終電まで駅員が常駐しているが、ここはそうではないらしい。


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