男の胸元を押し返そうとする掌は敵わず、やがて力尽きてしまった。

(――…ッア……)

姫子の力の抜けた四肢が、ひくり、と震えた。
亀頭がポルチオにぶつかっている。
それなのに男はなおも押し込むように股間を密着させてきて、ゴリゴリと擦られ押し上げられる子宮口に腰が跳ねた。
ぴったりと隙間なく粘膜が交ざりあう頃には、姫子はすっかり脱力して、仰向くように喉を反らしていた。


「はぁー……、すげ、ヤバい…」

「う……う゛ぅ…、ん…っ」

「締まる、締まる…っ、あ〜…それ、良い…、マンコの具合いも最高…っ…」


さんざん姫子の後穴をいたぶって暴れたペニスが、今度は膣を広げて挿入され、奥まで捻り込まれる。
大きなストロークで抜き差しを繰り返され、愛液が泡立って音を立てていく。
馴染みのある確かな快感。
浅いところも、一番奥も、暴力的なペニスで嬲られる。
姫子は悩ましげに眉を潜めて背中をしならせ、ヒク、ヒク、と内腿を痙攣させた。

(やめて、いや、いやよ、…お願い…動かないで…、擦らないで…っ)

信じたくない。
こんなの自分の体じゃない。
心が、思考が、そうわめき散らしているのに…だんだんと聞こえなくなってくる。
泣き腫らした瞳が焦点をなくす。
猿轡のされた口許が唾液まみれになって、湿った声をもらして、頬を上気させて汗を滲ませて。

(あ、あ、あ、だめ……っ、イクッ)

陶器の便器が今にも壊れそうなほど、軋んだ音を立てた。
姫子の下半身がびくびくと跳ねるように震え、突き入れてくるペニスを何度も締め付ける。
オーガズムに喘ぐ呻き声は溶け落ちたように甘く、そんな女の淫らな体を、男は楽しげに揺さぶり続けた。


「お巡りさん、今、イった? 生チンコで犯されてイッちまったんだ? はは…っ、レイプされんの気持ちいいんだろ…ッ」

「うっ、うぅ…んっ…、んっ、ンン…ッ、ふー…んんぅ…」

「はっ、はっ、……あー……いく、出る…ッ こっちにも、たっぷり出してやるからな…ッ」


達して敏感になっている内壁を擦られ続け、無理やり灯された熱が鎮まらない。
荒れ狂う波が飲み込む。
快感の渦から抜け出せない。
嵐の中で聞こえてきた声に、本能的にいやいやと首を振って、…けれど姫子の体はきつく腟内を締め付けた。
ちぐはぐの心と身体。
女の両足をがっちりと抱えて押さえ込み、男は込み上げてくる腰を叩き付けた。

―――ビュル…ッ

汗ばみ愛液で濡れた肌が密着する。
腰が跳ね、腹や尻肉が強張る。
尿道を走り抜けたザーメンが、開いた鈴口から勢いよく吹き出ていった。

ドク、ドク、ドク…っ

姫子の膣内を濡らしていく。
ふーっと息をついた男が、腰を大きく打ち付け、力んだ。

びゅる…っ

亀頭をポルチオに擦りつける。
尿道から全て出しきろうと、捻り込んだまま、力んで、絞り出す。

…びゅ…っ、…びゅぅ……

孕ませようとする、雄の種付け。
動きを止めてしばらく、荒い呼吸を繰り返していたが、脱力するように大きく息を吐いた。


「っはぁ、は、……はあー……気持ちいい…たまんねぇ…っ」


ゆるゆると腰を揺らす男の下で、姫子の飛んでいた意識が戻ってきた。
濡れきった下半身に「ひっ」と呼吸がひきつった。

(あ…ああ…、うそ、そんな…)

お尻の中に射精された時もショックだったが、膣内に射精されたことの方がより大きな衝撃を姫子に与えた。


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