名前との距離を取り戻したいのに足掻けば足掻くほど離れちゃって疑って傷つけてさ。最近、結婚当初みたいに見送りしてくれたりして凄くうれしかったんだ。なのにディーノさんに挨拶した事に妬いて屋敷に閉じ込めて部屋から極力出さないようにしてこんなんじゃ何も解決しやしない事なんて分かってるんだよ。今まで俺は名前が頬でも人にキスするところが見たくなくてそんな俺に気づかって名前は言葉での挨拶で済ませていたのにあんなことするって事はなにか理由があったんだ。ちゃんと話し合って聞かなきゃいけないのに面と向かって話すのが怖くてリボーンに相談したけど自分で考えろって返されたり…あ、彼女に聞けばわかるかな?京子ちゃん見たいな女の人だよなあ。名前の事で相談すればいつも意見をくれるけどそれは失敗に終わる。例えば会話がしたいけど内容がなく困って「今日、なにしてたか聞けばいいと思うよ」の案を実行しても名前は笑顔を歪ませて「忙しかったな」って返事が返り会話は続かず、寧ろ機嫌を悪くさせた。たぶんこの子は名前と真逆なんだろう。だからあの子の意見が上手くいかないんだ。出会った当初より笑うようになってきた彼女が突然どうして離婚しないのかって聞いてきた。俺は「ありえないよそんな事。だって俺は名前が好きなんだ。どんなに嫌われたって避けられたってかまわない。俺は名前の旦那さんでいたいんだ。」ってそう直ぐに言えるのに本人に伝えられないって笑えるよね。
俺の答えを聞いた彼女は「なら、私と会っちゃだめですよ」と眉間に皺をよせた。そして「そんなに愛してるならその奥さんを悲しませるような事してどうるんですか。私、その良い奥さんに凄い悪いことしてしまいました。今日で会うのは終わりです。今まで相談にのってくれてありがとう」そう言って彼女は苦々しい笑みをしていた。確かに俺が彼女と会ったりしているのを名前が知ったら幻滅されるだろうな。どう説明したってこれは浮気だ。彼女だって彼氏さんが居るんだ。何日か経っているのに彼氏さんは彼女の携帯に何度も電話をかけてきてるらしいから、きっと彼はまだ君を愛してるよと別れ際に言おうとしたら彼女に「話を聞く限り綱吉さんは凄い奥さんに愛されてますよ」と似たような事を先に言われてしまった。そして俺達の関係は終わった。


久しぶりに名前と2人で出かけた。閉じ込めちゃってごめんね。ずっと話せなくてごめん。名前に謝る事は一杯あった。だから今日、俺は一杯名前に謝る。彼女とキスしてしまった映画館前の噴水で色んな意味を込めて名前に謝って改めて愛を誓うんだ。ほんとはもっとピリピリ感を出さなきゃいけないと思うけどいざとなっては名前と手を繋いで並んで歩けるのが嬉しくて自然と笑っていた。
噴水前に来て俺は名前と向かい合うように立ち、先ず思っていた事を話した。名前を真っ直ぐ見たの凄い久しぶりだなあ。今まで何故か後ろめたい気持ちがあって眼を合わせずらかったんだけど今は平気だ。それよりストレートだった髪がウエーブがかかっている事や化粧が薄くなったとか気づけなかった自分が凄く悔しかった。
一度口を開いたら素直に話せちゃってほんと駄目な俺しか出てこない。名前はそれを黙って聞いててくれた。だけど急に悲しそうに笑って「いいよ。ツナ」と話しを遮り。奥さんになれてよかったとか過去形見たいに言って「バイバイ」と背を向けた。何が「バイバイ」だ。俺の話を最後まで聞いてよ!腕を掴んで俺の方に振り向かせ昔誓ったことを叫んだ。そしたら名前も昔のように「守られなきゃならないくらい弱くないよ。だって私は」まで言ってくれて…でも、『ツナの奥さんなんだから』とは言ってくれなかった。


((変わったのは俺だけじゃないって気づいてる?))




←prev next→






人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -