まさかあの食事からツナにディーノさんが好きなんじゃないかって疑われ屋敷から出してもらえなくなるなんて考えてもみなかった。それでもツナは休暇の日はあの女に会いにいくのだからずるいよね。ずるいって別に私も浮気したいってわけじゃないよ?ただ自由にして欲しいの。旦那さんから愛を貰えない妻は家政婦同然じゃない。そんなの嫌よ。だったらせめて私も外に出て買い物したり遊んだり喋ったりしたい。
確かにディーノさんはかっこいいよ。好きか嫌いかと問われれば断然好きな方に入るけど優しいかっこいいの問題じゃないでしょ。ツナは私の見た目で結婚したの?だったら今すぐ離婚届けに印を押すよ?そうじゃないってわかってるから、私の嫌なとこも良いとこもしって私を愛してるって言ってくれたツナの傍にずっと居るって誓ったの。こうやって屋敷から出してくれないのだって私を好きだからだってわかってるから許す。心配しなくても他の男の元になんかいかないのにね。
ディーノさんの頬にキスをしたことをツナがリボーンに話したらしくめずらしく彼が私の部屋に訪れた。人に相談するまえに私に直接聞きにくればいいのにほんと男ってわかんないね。リボーンの表情はなんとも楽しそうだった。書類整理中だった私は一端手を休めてリボーンの話を聞く。言っとくけど昼ドラみたいなリボーンが期待してることはまったくないからね。エロい部分もないから夜ドラでもないから。
「名前がこっちでの挨拶するなんてめずらしいな」
「なんとなくやってみただけよ」
「お前はなんとなくでツナを怒らせるようなことしないだろ?」
このヒットマンはなんて鋭いんだ。たぶんこの人はツナが浮気しているのを気づいている。教え子の異変に直ぐ気づくいい家庭教師だこと。私がツナの見送りや出迎えを始めたときも「昔みたいだな」って言ってたしね。それは中学の時のツナの恋を応援する私みたいだって意味だろう。あれだって別にそのまま京子ちゃんと結ばれれば結ばれたでそれでよかったんだ。ツナがそれで嬉しいなら幼馴染みとしても嬉しいし。
私の頭をくしゃくしゃと優しく撫でたリボーンは言葉の詰まっていた私に「吐き出さなきゃ潰れるぞ」と言葉は酷かったが言い方は優しかった。
「ディーノもなんかあったんじゃねぇかって心配してたから礼でも言っとけ」
「あ、ディーノさん気にしてたんだ」
「あたりめぇだろ」
やっぱり今までイタリア流の挨拶を自分からしたことはなかったからな。ディーノさんもそれに気づいてたとは…悪いことしちゃったな。心配させるつもりはなかったのに。今度、手料理を振る舞ってあげよう。勿論、ツナも入れて後はリボーンにも。そうそう屋敷から出してくれるようにリボーンがツナに掛け合ってくれるって!流石、女性に優しい伊達男だ。
((束縛が激しいよねほんと))
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